■上海協力機構内部の力を強化 「雑音」に妨害はされない
習主席はG20サミット以外に9月13日にキルギスのビシュケクで開催される第13回上海協力機構首脳会議にも出席する。国家元首としての出席は初であり、注目される。
中国外交部(外務省)は、加盟国の善隣友好協力関係を一段と強化する措置について検討し、計画を立て、重大な国際・地域問題について意見交換し、立場の協調を図ることがサミットのテーマだと説明した。
「例えばシリア問題において、上海協力機構加盟国の中国とロシアは米国の武力行使に反対している。この問題において、ロシアは中国や上海協力機構の他の加盟国の支持を取りつけることも望んでいる」と沈氏は例を挙げた。
「中央アジア地域に中東のような動乱が生じていないのは、上海協力機構の発揮している役割が緊密に関係している。これは上海協力機構が地域の安全・安定に発揮している重要な役割を具体的に示すものでもある」と中国現代国際関係研究院ユーラシア研究室の王◆久(◆は麗へんにおおざと)研究員は指摘した。
中国国際問題研究所上海協力機構研究センターの石沢研究員は「中国外交の一大革新である上海協力機構は、中国と中央アジア諸国との関係発展の重要なプラットフォームとしての存在感を強めている。このプラットフォームの役割がどんどん際立ち、代替不能になっていることは、事実が証明している」と指摘した。
注目に値するのは、今回のサミットで「長期善隣友好協力条約実施綱要」が決議の形で了承されることだ。これについて石氏は「これによって協力は一段と具体化される。上海協力機構の今後の発展と加盟国間の相互信頼・協力の促進にとって計り知れない意義を持つ」と指摘した。
習主席のサミット出席は、上海協力機構内部の力の強化を一段と促し、政治、安全保障、経済、社会分野の加盟国間の協力を強化すると指摘される。曲氏は「サミット期間に習主席は、新シルクロード経済発展ベルトのような、一部加盟国との間の経済協力の新構想も発表するかもしれない」と指摘した。
経済協力について沈氏は「中国と上海協力機構加盟国は補完性が高く、協力には大きな潜在力がある」と指摘した。
12年間の発展を経て、昨年6月の北京サミットを境に、上海協力機構は実務協力の全面的推進の高速道路に入った。一方で上海協力機構はいくつか疑問を呈されてもいる。これについて王氏は「上海協力機構衰退説を唱えるのは、嫉妬心のなせる業だ。われわれは冷静に分析し、実務的に問題を解決すべきだ。『雑音』に妨害されてはならない」と指摘した。
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