福島第一原発の地上貯水タンクの底部外側の接合部から、高濃度の放射線反応が検出され、予測値の18倍に達した。放射線量は最大毎時1800ミリシーベルトに達し、人がこの濃度の放射線を4時間連続で浴びた場合は死に至る。これは福島原発の放射能汚染水漏れが悪化を続けており、そのペースが予想を上回ることを示している。人民日報が伝えた。
東京電力は8月20日、汚染水の貯蔵に用いる地上貯水タンクに漏出が生じていることを認め、約300トンの汚染水が海に流れたと認めた。国際原子力機関の確認を経て、原子力規制委員会は8月28日に、汚染水漏出の危険度を国際基準(INES)でレベル3(重大な異常事象)であると発表した。
漏出の原因は、ゴム製パッキンの劣化やボルトの緩みとされている。茂木敏充経済産業相は現地を視察し、汚染水を溶接構造のタンクに移すよう求めた。貯水タンクの安全使用期間は5年間のはずだが、このほど日本で汚染水漏れが発生しているタンクは2年余りしか使用されていなかった。
安倍晋三首相は、国が東電から汚染水処理の作業を引き継ぐことを発表した。日本政府は近日中に、汚染水を徹底的に処理するための中長期対策を発表する予定だ。経済産業省は局長級ポストの「汚染水特別対策監」を新設し、2014年度予算概算要求に原子炉廃炉技術の研究開発費として125億円を計上した。現在の試算によると、福島原発の徹底的な廃炉には数十年の時間と、100億ドル以上の資金が必要となる。
東電の発表したデータによると、福島原発事故後の2年間で、約10兆ベクレルのストロンチウム90、20兆ベクレルのセシウム、20-40兆ベクレルのトリチウムが海に流出した。ストロンチウム90とセシウムの海への流出量は計30兆ベクレルに達し、安全規定に基づく通常稼働時の海への通年の排出基準の約100倍に達する。
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