中山大学(広東省)嶺南学院と金融サービス提供会社の宜信(CreditEase)は26日、広東省の大衆富裕層を対象にした調査研究を始動した。両者が協力して同様の調査研究を行うのはこれが初めて。始動セレモニーでは、中国に中所得者が1026万人いることが明らかにされた。南方日報が報じた。
大衆富裕層のほとんどが企業主や管理職
始動セレモニーでは、毎年世界長者番付を発表している米誌「フォーブス」(中国語版)と財富が共同で作成した「2013中国大衆富裕層財富白書」が発表された。それによると、投資可能な個人の資産が10万-100万ドル(約1000万-1億円)の中国の中所得者を表す「大衆富裕層」は、昨年の時点で1026万人に達し、今年の年末には1202万人に増加すると予測されている。
同白書は、「大衆富裕層のほとんどは、『上級ホワイトカラー』と呼ばれる人々。男性が55.3%、女性が44.7%を占めている。主に企業主や管理職を務め、金融や貿易、不動産業界に従事している。年齢は60年代と70年代生まれの人が多く、3分の2が大卒以上の経歴を有している。総じて言うと、教育程度の高い中年と青年が多い」と分析している。
主催者によると、今回の調査研究活動では、同学院の出身者2000人と宜信の広東省のクライアント300人を大衆富裕層のサンプルとする。今後3週間、同大学の学生200人が対象者を訪問し調査を実施する。
大衆富裕層の4割が住宅3件以上所有
同白書によると、昨年の時点で、大衆富裕層が所有している投資可能な資産は平均約133万元(約2130万円)だ。では、同グループの人は何にお金を使っているのだろう?
調査データによると、同グループの79%が、お金を基本的な生活の支出に使っている。一定の経済的基礎を有している同グループの人々は、生活の質を重んじている。娯楽の面での支出で最も多いのは旅行で、次に運動だった。また、骨董品に対する関心も高く、中国国内の芸術品コレクションやオークション市場の盛り上がりにもつながっている。
投資の面で、大衆富裕層は銀行の財テク商品を最も好んでいる。
特筆すべきなのは、政府の規制が厳しくなっているにも関わらず、大衆富裕層の不動産投資に対する態度が変わっていないことで、投資の53.9%を占めている。同白書によると、調査に答えた大衆富裕層の96.7%がマイホームを所有しており、うち約4割が3件以上の住宅を所有している。多くの人が、1990年代に低価格で勤め先から住宅を購入し、その後、商品房(分譲住宅)を購入し、さらに投資用の住宅を購入しているのだ。
投資先で3番目に多いのは「株」だ。一攫千金を求める必要もなく、ここ数年中国の株式市場は低調が続いているにもかかわらず、大衆富裕層は高リスクを喜んで受け入れている。
地域別に見ると、北京や上海、広州市(広東省)の大衆富裕層の投資先の順位に違いが見られる。まず、金融の中心地である上海で最も多い投資先は「株」だ。不動産の高騰が続き、不動産購入の規制も多い北京の不動産投資の割合は、他の2都市より低い。広州市は、不動産、株、銀行の財テク商品の割合がほぼ均等だ。
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