多くの経済学者が、中国の経済が目下直面する大きな課題は地方債務だとの見方を示す。海外でも中国に債務危機が発生するかどうかに高い関心が寄せられている。最近、審計署(会計監査署)は地方債務について全面的な情況調査を行った。この調査は地方政府の債務の系統的なリスクや構造的なリスクの理解を助けるものであり、社会の期待にぴたりと応えるものといえる。人民日報が伝えた。
地方債務の規模についてはさらに調査しなくてはならないが、予想できることは、中国には今、債務危機が発生する可能性はないということだ。
ここ数年来、多くの国で地方債務危機や主権債務危機が発生し、世界は債務問題にことのほか敏感になっている。だが中国の地方債務と外国の政府債務には明確な違いがあることを認識しなくてはならない。
その違いとは、中国政府は消費のために債権を発行しているのではないという点だ。政府の債務危機が発生した国の多くでは、公務員の給与や年金などの支払いのために債権が発行された。借金してはすぐに使い切る消費型の債務で、経済効果を生み出すことはなかった。
中国政府が現在発行する債券は、投資に用いられるものが多く、建設型の債務といえる。たとえば高速鉄道、高速道路、土木施設などの建設に用いられ、債務は最終的に資産となっている。中国の負債とこれに対応する資産を関連づけて考えれば、ほとんどの負債は返済可能だといえる。
建設型の負債と消費型の負債は一概に論じられない。よって中国には現在、債務危機が発生する可能性はないといえる。
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