北京市のある大学で清掃員をしている周さんは、微信(WeChat、ポータルサイト大手「騰訊(テレセント)」が開発したスマートフォン(多機能携帯電話)向けチャットアプリ)を利用して陝西省の実家に暮らす成人した息子に写真を送る。撮影から送信、完了まで、ピッ、ピッという電子音とともに慣れた手つきでスムースに操作する。「スマートフォン(多機能携帯電話)を使うようになってから、家族との距離がさらに近づいた気がする」という。人民日報が伝えた。
スマートフォンやタブレットコンピューターは流行の最先端をいく人々のものではなくなり、徐々に一般の人々のものになっている。情報消費は今や消費分野の一大注目点だ。
情報消費には自動車や家電製品などの従来型商品よりも大きな可能性がある。たとえばスマートフォンの購入といった情報製品の消費はもとより、パケット通信量の支払いやソフトウエアのダウンロード料金の支払い、オンラインショッピングといった情報製品をベクターとしたその他のサービスの消費も、すべて情報消費の範疇に入る。従来の消費と情報消費を比べると、従来型商品の容量は小さいといえる。過去数年間に国が実施した農村における自動車や家電製品の普及政策は内需拡大に重要な役割を果たしたが、こうした商品は耐久消費財であり、保有量が一定の水準に達すると、消費の伸びの潜在力は低下するのが普通だ。
それに比べ情報消費はハードルが低く、サービスの対象範囲はより広い。自動車は大型商品に属し、すべての家で消費し切れるものではないが、携帯電話はそうではない。国内では今、多くの携帯電話メーカーが1千元クラスのスマートフォン(多機能携帯電話)をうち出し、低所得層の人々もスマートフォンサービスを利用できるようになった。また情報資源は多くの人で共有することが可能で、利用者が多くなれば、ネットワーク構築やアプリケーションソフトにかかるコストも低下し、料金のハードルが下がれば情報消費はさらに「熱く」なる。
また情報消費は資源環境にも「やさしい」。従来型商品の消費は、鉄鋼、石油、鉱物などの基礎的資源や環境要因の制約を受けるが、情報消費はブロードバンドネットワークと技術イノベーションに依拠した低炭素・環境保護タイプの新たな消費モデルだ。現在、多くの都市で自動車のひどい渋滞や環境汚染などの問題が起きており、自動車消費だけで消費の伸びを牽引するのがあまり現実的でないことは明らかだ。情報消費の発展により力を入れるのが適切だといえる。
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