フィリピン国家捜査局は7日、フィリピン公船が台湾の漁師を射殺した事件について、捜査結果を公表した。
フィリピン国家捜査局は、フィリピン沿岸警備隊隊員は急迫の脅威がない中で発砲し、台湾の漁師を死亡させたと指摘。事件に関わった8人の隊員について殺人罪での起訴を提言した。だが捜査報告は、射殺事件が起きたのはフィリピン領海内との主張を堅持している。
フィリピンメディアの報道によると、フィリピン国家捜査局局長は同日のプレスブリーフィングで、フィリピン沿岸警備隊の規則が「深刻かつ急迫の生命の危機」に直面した時のみに銃または致死性武器の使用を認めていることを説明したうえで、「沿岸警備隊は(発砲時)、重大な生命の脅威に直面していなかった」と指摘。「射殺事件はフィリピンの領海内で起きた」と説明した。
同局長によると、フィリピン司法当局は沿岸警備隊の指揮官1人、執行官1人、隊員2人について、捜査過程で証拠の偽造に加わった疑いがあるとして、「司法妨害罪」で起訴する方針だ。捜査結果は、銃撃された台湾漁船がフィリピン公船への衝突を図った確かな証拠はなく、現場の指揮官が映像を編集したうえで、台湾漁船が衝突してきたと主張した疑いがあるとしている。
今年5月9日、台湾屏東県小琉球の漁船「広大興28号」がフィリピン沿岸警備船から掃射を受け、漁師の洪石成さんが死亡した。台湾当局は事件後のフィリピン政府の姿勢を不満として、フィリピン人労働者の受け入れ凍結など複数の制裁を発動した。現在までにフィリピン人労働者1万人が帰国を余儀なくされ、フィリピンは数億ドルの損失をこうむった。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年8月8日
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