フォンテラのテオ・スピアリングスCEOは一部原料にボツリヌス菌が混入した疑いがあることを受けて5日のプレスブリーフィングで中国の消費者にお詫びし、汚染事件の根源は普段は使わないパイプの衛生管理が不徹底であったことと関係があると表明した。新華網が伝えた。

1万キロも離れたニュージーランドの粉ミルクの「くしゃみ」によって、中国に衝撃が広がった。ニュージーランド産のボツリヌス菌混入原料を輸入していたため、中国企業複数が製品の回収などに追われている。外国産原料への依存症が、基盤不足と盲目的拡張という中国乳製品業界の弊害を露呈した。

■原料依存症：輸入粉ミルクの80％がニュージーランド産

ニュージーランドは乳製品の95％を輸出している。乳製品の年間輸出額は84億ドルで、輸出全体の4分の1を占める。そして中国はニュージーランド産乳製品の最大の輸入国であり、輸入粉ミルクの80％がニュージーランド産だ。

「わが国は源乳の基盤不足と言える」と、乳業の専門家・宋亮氏は指摘する。中国の乳製品業界は毎年20％以上成長している。市場が急激に拡大し、大きな収益が見込めるという誘惑の下、一部企業は盲目的な拡張を進めており、全国各地に10数社、数10社の子会社を持つ企業もある。

安定した、安全な源乳拠点を築くには少なくとも3�・5年必要だ。拡張を急ぐ一部企業は、自前の源乳拠点が育つのを待っていてはシェアを奪われると考え、市場を迅速に制覇するために源乳の輸入を活路としている。また、過去数年間に品質問題が頻発したことで、消費者は国産源乳を信頼していない。