かなりの程度において、サイバー空間には国境がない。サイバーセキュリティ問題は全人類の直面する共通の試練となりつつあり、サイバー空間の安全維持は各国共通の利益だ。他国の利益を犠牲にしてサイバー空間で自国の絶対的安全を追求するのは荒唐無稽な話であり、他国の理にかなった訴えを退けてサイバー空間で自国の国益のみを追求することをいつまでも続けるのは不可能だ。人類は運命共同体との観点からサイバー空間の安全および国際協力の必要性を扱うことこそが正しい道だ。
サイバーセキュリティ問題における中国政府の4原則は、サイバーセキュリティの国際ルールの議論と制定の土台となるはずだ。第1に主権の原則。他国の内政に干渉しない。第2に平和の原則。サイバー軍拡競争をしない。第3に包容の原則。サイバー空間ガバナンスに参加するという後進国の平等な権利を差別しない。第4に協力の原則。互恵・ウィンウィンの姿勢でサイバー空間のルールを制定し、ゼロサムゲームをしない。
サイバーセキュリティは米国の一存で決まるものではないし、その国際ルールの制定を米国の一存で決めるわけにはいかない。2011年9月、中国やロシアは「情報セキュリティ国際行動規範」草案を国連総会に提出するとともに、サイバーセキュリティルールの制定における主要ルートとしての国連の役割を強調した。中米両国は今週、戦略経済対話の機会を利用して初のサイバー作業部会会議を開く。欧州各国、およびインド、ブラジル、南アフリカなど新興国も最近、国際サイバーセキュリティ問題について続々と声を上げている。「PRISMスキャンダル」は国際世論において米国政府の顔をつぶす一方で、サイバーセキュリティの国際ルールの議論と制定の推進力も自然に形成した。
米国が依然としてサイバーセキュリティの国際ルールの制定を自らの一存で決めようとすることは間違いない。だが目を向ける必要があるのは、サイバーセキュリティをめぐる苦境の唯一の出口は国際協力であるということだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年7月9日
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