王毅外交部長(外相)は2日、ブルネイ・バンダルスリブガワンでASEAN地域フォーラム(ARF)外相会議に出席した際、フィリピンが会議で黄岩島(スカボロー礁)と仁愛礁(アユンギン礁)が「侵奪・占拠」されたと主張したことを念頭に置き、中国政府の厳正な立場を明確に述べた。
王外交部長は「南中国海情勢は全体的に安定しており、航行の自由にも何の問題もない。今回の外相会議期間、私はASEANのカウンターパートたちと南中国海問題について踏み込んで意見交換し、相互信頼を強化した。われわれは、中国・ASEAN関係は全方位的なものであり、個別の問題によって定義することはできないし、個別の問題が双方の友好協力の大局に影響を与えることがあってはならないとの認識で一致した。南中国海問題は中国とASEANとの間の問題ではなく、中国と少数の東南アジアの国々との問題に過ぎない。中国とASEAN諸国は『南中国海における関係国の行動宣言』の全面的で実効性ある実行に移りつつある。われわれには南中国海の平和と安定を守る能力が完全にある。われわれはすでに、『宣言』の次の段階の実行に向けた高官会議と共同作業部会会議を9月に中国で開催し、『宣言』の全面的で実効性ある実行を促すとともに、『宣言』実行の枠組みで『南中国海における行動規範(COC)』をいかに推進するかについて協議を行ない、協議による一致を踏まえてCOCプロセスを段階的に進めることで合意した」と指摘。
王部長は大量の事実と根拠を引用して、黄岩島と仁愛礁に対して中国が争う余地のない主権を有することを証明し、挑発行為に対して中国側が必要な対応を取るのは完全に正当なことだと強調した。
王部長は「二国間の争いは元来、二国間の協議によって解決すべきだ。多国間の場に持ち込み煽り立てようとするだけでは、問題解決の助けにならず、両国関係を損なうだけであり、その国と国民の利益にもならない」と強調した。
多くの国々の外相は発言で、南中国海の安定維持に向けた中国とASEANの新たな進展を十分に認め、南中国海係争は直接の当事国の協議や交渉を通じて解決すべきであり、各国は「宣言」の全面的で実効性ある実行の枠組みでCOC策定プロセスを推進すべきだと指摘した。一部の国々は「外部勢力や域外の国は南中国海係争に介入すべきでない。南中国海問題は国際化すべきでない。さもなくば問題の解決にマイナスだ」と指摘した。ASEAN諸国は中国側と共同で地域の平和と安定を維持する意向を次々に表明した。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年7月3日
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