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東アジアの領土紛争の解決には大きな知恵が必要

 

最近、東アジア地域の未解決の領土紛争が衝突を招く可能性に人々は懸念を抱いている。目下最も重要なのは、問題解決の妙案を直ちに見出そうとすることではなく、領土問題における「係争の棚上げ、大局の友好」という東アジアの大きな知恵を引き続き保つことだ。(文:張雲・日本国立新潟大学准教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

北米や欧州の人から見ると、アジアは領土紛争の多い地域だ。冷戦終結後間もなくするともう「アジアは欧州の過去を繰り返す。衝突の条件はすでに熟している」と予言する人がいた。東アジアの国際関係は古代の中国中心のシステムから近代の植民地システムへ、そして20世紀中頃の各国の相次ぐ民族的独立へと移行して、ようやく主権国家を基礎とする現代的な国際関係システムに本当の意味で入り始めた。400年以上民族国家を建設してきた欧米諸国と比べ、東アジアの民族国家建設の歴史はやはり短い。この意味において、領土問題が存在すること自体はおかしなことではない。

欧州の植民地主義者が戦争・拡張を通じて獲得した新たな領土が引き起した紛争とは性質が異なり、東アジア諸国間の領土紛争の大多数は帝国主義、植民地主義がもたらしたものだ。領土問題は民族国家建設の過程において特殊な敏感性を持つため、環境が熟すまでは係争を棚上げすることが最も適切な方法だ。東アジアが過去20年間全体的な平和を保ったという事実は、東アジアが領土紛争の管理・抑制面で成功したことを証明している。その基本的方法が係争の棚上げなのだ。

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