日本の沖縄県石垣市は3日、日本政府が世界自然遺産への登録を申請する予定の「奄美・琉球」にわが国の釣魚島(日本名・尖閣諸島)を含めるよう求めた。登録申請に向けて釣魚島の実地調査も行う考えだ。そのいわゆる理由とは、釣魚島は独特の生態系と豊かな生物多様性を備え、絶滅危惧種であるアホウドリの世界に2カ所しかない生息地の1つであり、世界遺産登録の資格があるというものだ。話にならないのは、中山義隆石垣市長が申請の深い目的について「世界遺産登録申請に成功すれば、釣魚島が日本領であるという『事実』が国際的に一層明確になる」と少しも隠し立てせずに述べていることだ。(文:万芳芳・国家海洋情報センター助理研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(以下「世界遺産条約」)は、締約国は自国領土内の文化遺産および自然遺産を確定・区画し、自然遺産および文化遺産の保護と保存のために積極的で効果的な措置を講じることができると定めている。これと同時に「世界遺産リストへの物件の登録には関係国の同意を得る必要がある。ある領土の主権または管轄権を複数の国が主張している場合、当該領土内の物件のリストへの登録において係争各国の権利を損なってはならない」とも定めている。日本の行為はこうした規定に完全に背くものだ。
第1に、この国際的場を利用して政治的陰謀を達成しようとする日本の妄想は、世界遺産保護の趣旨に完全に背いている。世界遺産選定の目的は、世界的に重要な価値を有する自然遺産および文化遺産の効果的な保護にある。一方、日本の申請の目的は、世界遺産保護の関連規則・規定を利用して、釣魚島周辺海域でわが国政府の行う正常な巡航・法執行活動を妨害し、釣魚島海域でのわが国漁民の正常な操業を制限しようという妄想である。日本が世界遺産登録申請、資源保護の名目を掲げながら、実際には世界遺産を政治化して、釣魚島に対するわが国の主権を侵害する新たな手管を弄そうとしていることは火を見るより明らかだ。
第2に、わが国の釣魚島を世界遺産登録申請の対象地域に含めようとする石垣市の企ては、世界遺産条約の最も基本的な要求に背いている。締約国が国連教育科学文化機関(ユネスコ)所属の世界遺産委員会に世界自然遺産および世界文化遺産の登録を申請する際の前提条件は、登録申請対象に対して主権を有することだ。対象地域・文化に対して主権を有さない場合は、登録申請はできないのだ。釣魚島が中国固有の領土であることは、十分な歴史的根拠、法理上の根拠によって証明されている。世界の目をごまかして欺瞞行為を働き、「奄美・琉球」の対象地域に釣魚島を潜り込ませて世界遺産に登録申請しようとする日本の企てはあからさまな主権侵害行為であり、世界自然遺産および世界文化遺産の登録申請の基本条件を備えず、全くの一方的な願望であり、法理上全く成り立たない。
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