先日閉幕した中国共産党の第17期中央委員会第3回総会(3中総会)で「農村改革・発展の推進の若干の重大な問題に関する中共中央の決定」が採択されたことは、中国の農村改革が新たな歴史的起点に立ったことを意味している。
3中総会は2020年までの農村改革・発展の基本目標として▽農村経済体制の一層の整備、都市部と農村部の経済・社会発展を一体化させる体制の基本的な構築▽現代的農業の建設における顕著な進展、農業の総合生産力の明らかな向上、国の食糧安保と主要農産物供給の実効性ある保障▽農民の1人当たり平均収入の08年比倍増、消費水準の大幅な向上、絶対貧困層の基本的な消滅――などを挙げた。いずれも、農民の心の奥底に温かく響く内容だ。
■農村改革がもたらした大変化
30年前、安徽省小崗村の村民・厳宏昌さんは大きな危険を冒して、他の17人の村民と共に、土地請負の誓約書に署名した。同年、大連の農村の若者・韓偉さんは養鶏で身を立て、北京や上海、さらには日本や韓国のスーパーにまで自主ブランドの卵を売り込んだ。農村改革によって一部の農民が先に豊かになり、農村の工業化が始まった。現在では、それらを上回る数の農村の若者が荷物を背負い、見知らぬ都市へ出稼ぎに出、都市に足を下ろし、都市で身を立てている。
この30年間で中国の農村には、大きく深い変化が生じた。農民の平均収入の増加、農業の総合生産力の向上、農産物の流通の活発化、農村経済の全面的な繁栄――。そのいずれもが、つまるところは中国政府が指導する農村改革の不断の深化の結果であり、億万の農民が刻苦奮闘して成し遂げた革新の成果なのだ。
過去30年を振り返ると、中国の農村改革は着実に、たゆまず、深く邁進してきた。第1歩として、各農家の経営請負制を柱に、基本的な経済制度と市場システムを構築し、農民の生産経営自主権を保障し、農村市場経済の基礎を打ち立てた。第2歩として、農村税制改革を柱に、国民の所得分配を調整した。現在は農村の上部構造の改革を柱に、総合的な改革を行い、農村の上部構造と経済的土台の不適合という深いレベルの問題を解決し、さらに素晴らしい社会主義新農村の建設に力を入れている。
農村改革により計画経済は社会主義市場経済へ移行し、社会主義市場経済の要請に適応する農村経済体制の枠組ができ、市場の需要に応じて農業資源を配置し、需給に照らして農産物の価格と農村生産要素の自由流動を決定する市場メカニズムがほぼ形成された。この根本的な改革により、農村の生産力は大いに解放され、発展した。
特に第16回党大会が打ち出した都市部と農村部の経済・社会の統合的発展という重要な戦略、党中央が5年連続で出した農業・農村事業の指導に関する1号文書、一里塚としての、また時代を画す意義を持つ農村支援策は、農民の農作業への積極性を喚起し、農業は5年連続で豊作を迎えた。林権制度改革の全面的な推進により、農民が山林の主人となり、深い眠りにあった荒れ山が生命の息吹を取り戻した。総合的な農業生産力の強化は、農村の繁栄に礎を築いた。農村の総合改革も、新農村建設に素晴らしい未来を示した。
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