武大偉外交副部長は19日、東中国海問題をめぐる中日間の合意について談話を発表し、国内外の記者の質問に答えた。
一、中日間の3つの共通認識
第1、東中国海を平和・協力・友好の海とする。
第2、各自の法的立場を損なわぬ情況の下で、東中国海の1区域を選び共同開発を行う。
第3、日本企業は中国の法律、すなわち「中華人民共和国海洋石油資源採掘対外協力条例」に照らし、春暁ガス田の開発協力に参加する。
二、共通認識には2つの重要な前提
第1、当該共通認識は東中国海における中国側の主権と管轄権を損なわず、東中国海の関係問題における中国側の法的立場と主張を損なわない。中国側は東中国海の境界画定問題において、日本側の主張するいわゆる「中間線」を認めないし、中日間には「中間線」確定の問題も存在しない。
第2、日本側は中国の法律に基づいて春暁ガス田の協力に参加することに同意し、中国法の管轄を受け入れ、春暁ガス田の主権が中国に属すことを認める。開発協力は世界によくあることで、外国企業は中国の沿海で、中国企業は外国で開発協力を行う。
中国の関係石油会社は以前、春暁ガス田でユノカル、シェル石油と協力を行ったが、両社は経営上の理由で撤退した。日本企業が中国の関係法に基づき春暁ガス田の協力に参加することの性質は、ユノカル、シェル両社の時と全く同じだ。
三、東中国海大陸棚の境界画定における中国側の立場
中国側は大陸棚の自然延長の原則による東中国海の境界画定問題の解決を主張していることに対し、日本側は「中間線」を主張している。この紛争は短期間では解決困難だ。この問題を適切に処理せず、東中国海問題の紛争がますます激しくなるに任せては、中日関係の大局が阻害される。中日関係を順調に前進させるため、中日双方は主権問題に及ばない情況の下で、過渡的な対処を講じ、この問題が中日関係の安定した発展の障害になることを回避する決意をした。共同開発に関する双方の共通認識は、この過渡的な対処だ。
早くも30年前に、中国の指導者は海洋権益問題の解決において「紛争を棚上げにし、共同開発する」構想を打ち出した。共同開発に関する中日双方の共通認識は、つまりこの構想の具体的な実践であり、中国側の一貫した立場を体現するものだ。東中国海における中日の大陸棚境界画定問題は、今後双方が協議を通じて解決する必要がある。
四、東中国海問題の適切な解決は中日双方の利益に合致
中日両国は共にアジアと世界に重要な影響力を持つ国だ。今回双方が共通認識に至ったことは、双方には対話と協議を通じて、両国関係中の敏感な問題を適切に処理する能力と誠意があることを示すものだ。この問題の解決は東中国海の平和と安定、エネルギー等の分野における中日の互恵協力の強化、中日関係の健全で安定した発展にとってプラスだ。中日関係の改善と発展は両国および両国民の根本利益に合致し、アジアと世界の平和・安定・発展にも有益だ。
「人民網日本語版」2008年6月20日 |