輸出と輸入は競走相手同士のよう
香港の記者:2004年に中国人民銀行はすでに中国の国際収支バランスに言及している。近年、赤字が急増しつづけているが、これはどういう問題をもたらしているのか。これについての対策は何か。国際金融センターとして香港はどういう役割を果たしているのか。香港が打ち出した「資金自由の旅」という200余件のアドバイスのうち、80余件は金融に関するものである。今年はどういう措置を講じるつもりか。
周小川頭取:まず、中国の中央銀行はいくつかの手段を講じて市場の過多の資金流動性をコントロールし、例えば、市場業務の操作、預金準備金利率、貸付利率を公開することおよびそのほかの手段などがそれである。われわれはこれらの手段を利用しつづけるつもりである。
輸出入貿易のアンバランスについて、貿易赤字の増加は、国内ニーズの規模や中国製品に対する国際市場の需要で決まるものであり、輸出入の伸び幅をも決めることになる。
輸出と輸入は競走同士のようで、誰がより速いかをわれわれは注目している。輸出の伸びにプラスとなる要素、例えば、海外からの新しい投資による新しい生産能力、外資直接投資の活発化による新しい生産力などがそれである。薄熙来部長のおっしゃったとおり、外資直接投資は輸出の拡大にとって重要な役割を果たしている。また、グローバルな情報化の発展により、情報が非常に多くなり、輸出会社はグローバルなビジネスチャンスをつかみとりやすくなっている。サービス業を含むさまざまな製品のOEMはより多くなっている。
輸入にプラスとなる要素もいくつかある。例えば、為替レートの調整、中国が輸入する大量の原材料がそれである。中国の輸出では、われわれはコスト、人件費の向上、社会保障システムの充実化などの問題に直面している。これらの要素はトータルに輸出入のバランスに影響をもたらしている。
結果としては、貿易のアンバランスのすう勢は存在しつづけ、一定の期間でこれを調整、解決することが必要となっている。
国際収支のアンバランスをコントロールする中国政府の政策について、先般開催された全国金融会議ではこれが説明された。最も重要なのは、国際収支のアンバランスをコントロールする効果的な手段を通じて経済メカニズム調整政策を実施することである。一、国内需要、特に国内消費需要、サービス業の規模を拡大すること。二、輸入を拡大し、政策上の障害を取り除くこと。三、中国企業が海外市場に進出し、投資を行うことをサポートすること。しかし、経済のメカニズム調整政策の効果が見られるようになる期間が長いかもしれないが、非常に重要であるので、最も重要な政策と見られている。
国際金融センターとしての香港の地位と役割について、先般開催された全国金融会議はこれを重視している。原則的には、香港の国際金融センターの役割をサポートし、それを強化するとされている。これは大陸部の金融事業の発展に数多くのメリットをもたらすことでもある。全国金融会議の前に、われわれはどのような仕事することになるかについて、香港の関連機構と詳しく話しあった。会議の後でも交流しあった。
周知のように、大陸部の銀行、証券と保険の管理機構は、「金融面で大陸部と香港の協力がどういう形で繰り広げられるかについて、政策や考え方を打ち出している。中国人民銀行は、2007年1月に香港の人民元業務をさらに拡大する措置を打ち出した。具体的には、香港が人民元の債券を発行することで、現在準備中であり、近々、関連政策が発布されることになっている。
「チャイナネット」2007年3月12日
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