中国製品に関税を課すことは、WTOのルールに合致しない
『人民日報』記者の中米貿易関係に関するインタビューに答えた際、薄商務部長は次のように述べた。
昨年、もし中国は外貨政策の改革の面で著しい発展を遂げなければ、アメリカ側は中国からの全部の輸出製品に対して27.5%の関税を課すことになろう、と一部のアメリカ国会議員は提案した。これはWTOのルールにまったく合致しないもので、もしこの提案がさらに発展すれば、健全で、スムーズに発展しつつある中米関係を傷つけることに違いなく、中米貿易が互恵共栄で、ウィン・ウィンの関係を形成している背景の下で、この提案は中米両国の経営者に望ましくない悪影響をもたらすに違いない。それゆえに、中国政府はこの提案にあくまで反対する。もしアメリカ政府が本当にこの政策を実施すれば、貿易保護主義だけでなく、貿易覇権主義にもなる。
昨年、中国の対米貿易黒字は確かに史上最高を記録したが、本当の事情を承知しているアメリカの経営者たちはそんなに緊張していない。なぜかというと、ここ数年間に、アメリカの対東アジア地域の貿易赤字は43%から41%に下がり、アメリカは対日、対韓の貿易赤字を中国に移転しているからである。周知のように、中国の加工貿易は1888億ドルに達し、貿易黒字の大部分を占めている。現在、数多くの外資系企業は中国で加工貿易に携わっており、中国のモノの貿易における一般貿易黒字の半分以上の実績を示すものとなった。
中米貿易の間では、中国の対米黒字が存在しているが、アメリカの利益も存在している。先般のインタビューで答えた際、「中米両国には、黒字が中国にあり、利益がアメリカにある」と言ったことがある。中米両国は従来からずっと互恵共栄の関係を保っているからこそ、中米貿易はスムーズに発展し、著しい成果をあげているのである。中米両国の貿易は強制的な売買関係ではならず、自由な関係である。アメリカの経営者たちも高度な英知を持っているので、中国におけるビジネスが割に合わないなら、彼らは引き続きそれに携わることはない。
最後に、次のデータを見て、中米貿易の状況を見てみよう。昨年、中国におけるアメリカ系投資企業は1100億ドルの実績(中国における売上高及び他の国・地域への輸出額を含む)を上げており、それに、アメリカは対中サービス貿易の黒字及び対中のモノの貿易の黒字を抱えている。こうした数値を相殺してみると、事実、中米両国の貿易利益はバランスの取れたものとなっている。
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