日本の出版界ではここ2年の隣国との領土紛争の激化に伴い、「領土領海書籍」出版がブームになっている。その多くは日本の観点から歴史を描写し、領土管理強化の重要性を強調している。だが横浜国立大学名誉教授の村田忠禧氏の著書『史料徹底検証 尖閣領有』は釣魚島(日本名・尖閣諸島)が日本固有の領土では決してないことを史料によって証明している。日中間の領土紛争に関する最新の研究成果である同書は今年1月に出版されたが、日本社会からは注目されず、日本メディアに「黙殺」されてすらいる。それでも同書は現代日本の「領土書籍」において「重要な異なる声」を発している。環球時報が伝えた。
■史料が証明「釣魚島は中国に属する」
『史料徹底検証 尖閣領有』は花伝社から1月に出版された。現在中国語版、英語版も計画中だ。
出版から4カ月後、村田氏は環球時報の取材に応じた。村田氏によると、2013年出版の『日中領土問題の起源』と比較すると、今回の本は日本政府の公開した文書などの史料を用いて、日本が「尖閣諸島」をいかにして一歩一歩不法に占有したかを詳細に論証した点が見所だ。
村田氏によると、日本政府は釣魚島が「清国」と関係があることに1885年の段階から明確に気づいており、外交問題に発展することを懸念して、 国標建設の企てを断念した。1895年、日清戦争(甲午戦争)の勝利が確定的となったため、日本政府はいわゆる閣議決定の形で釣魚島をこそこそと領土に編入した。
村田氏によると、日本政府は「清国」および欧米列強の反発を懸念して、閣議決定を長い間外部に公表せず、「清国」に外交文書を出すこともなかった。「尖閣諸島」は日本が甲午戦争勝利に乗じて窃取した領土であり、国際法にも国内法にも合致しないと言える。
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