本誌記者 曾文卉 

５月下旬、日本の観光業界関係者による「中日観光文化交流団」が中国を訪問している。発起者は自民党総務会長、全国旅行業協会会長の二階俊博氏で、訪中団メンバーは日本の４７都道府県から参加しており、知事や副知事も複数名含まれる。北京、天津、河北省など７カ所で観光交流を行う予定だ。 

中日友好２１世紀委員会中国側副秘書長の王泰平氏によれば、今回の訪中団には申込者が殺到し、人数は３０００人を超えるという。王氏は、「非常に喜ばしいことだと思う。日本の国民も中国国民と交流し理解を深めたいと考えていることを示すものだ」と指摘する。 

平和と友好は両国の国民共通の理念 

清華大学当代国際関係研究院副院長の劉江永教授は次のように語った。今年は世界反ファシズム戦争勝利７０周年であり、歴史を振り返り反省する重要な年であると同時に、前人の事業を受け継ぎ将来の発展に道を開き、中日両国関係の長期的平和と友好を促進する上で重要な節目でもある。歴史を正視してこそ真に未来に向かうことができる。今回の３０００人訪中団がこのような時期に訪中するのは、中日両国国民の間に平和と友好を願う共通の理念があることを反映している。 

中国社会科学院日本研究所副研究員の趙剛氏は次のように指摘する。今回の訪中団は安倍晋三首相就任以来最大規模の訪中団であり、中日国交正常化以来両国関係が最も険悪な段階を経た後、昨年以来習近平主席が安倍首相と二度の会談を行ったことを受けて、中日間の緊張した局面が若干緩和されたことをある程度反映するものだ。 

二階俊博氏は日本の政界の代表的な親中派で、これまでにも２０００年に５０００人、２００２年９月に１万３０００人の訪中団を組織し、さらに八達嶺長城で「中日友好万人友誼林」１３０００株の植樹活動を行ったこともある。趙剛氏は、訪中団の人数は中日関係の「温度」を示すバロメーターでもあり、今回申込者数が３０００人に達したことは、日本国内に中日関係悪化を憂慮する人や内心では中日友好を望んでいる人が多いことを示唆するものだと指摘する。「訪中団がこれほど大規模になったことは、日本の民間に中日友好を望む人が相当数いるということを伝えている。この点で、今回の訪中団には意義がある」と趙剛氏は言う。