●孫崎 享(まごさき うける、元・外務省国際情報局局長):
「尖閣諸島」の最大の問題は、次の2つのスタンスのうち1つを選択しなければならないことだ。
1.尖閣諸島を日本固有の領土と見なし、領土問題は存在しないという立場。この場合、日本はより強く自国の領土権を主張し、国内法を適用する立場を厳しく守らなければならない。
2.尖閣諸島は、日中両国が互いに領土権を主張している「係争地」であると認める立場。この考え方を出発点として、両国が衝突する事態を避ける方法を追い求める。
筆者は、上記2の立場に同意する。
「日本の領土」という問題は、第二次世界大戦後の「戦後処理」問題と密接に関わりあっている。敗戦国である日本にとって、「ポツダム宣言」を受け入れた時点が、戦後のスタートラインだ。「ポツダム宣言」第八条では、「カイロ宣言に基づき、日本国の主権は本州、北海道、九州、四国など連合国が決定した領土に限定される」と定められている。ここで言及された「カイロ宣言」には、「日本が中国から窃取した領土、例えば東北四省、台湾、澎湖群島などは、中華民国に返還する」と詳述されている。(編集KM)
「人民網日本語版」2015年4月9日 |