●高橋庄五郎(1915年生まれ、1938年日本大学文学部哲学科卒業。元・国際貿易促進協会常任理事、高庄株式会社社長。主な著書に「尖閣列島ノート」「日中貿易小説」などがある)
尖閣諸島は、歴史的・地理的いずれの点からも、台湾に属する。日清戦争後、台湾は中国から「割譲」され、日本の領土となった。日本は、第二次世界大戦に敗れ、ポツダム宣言を受け入れた。サンフランシスコ講和条約は、日本は、台湾およびその付属島嶼の領有権を放棄すると定めた。これにより、尖閣諸島の領有権は、当然中国に帰属する。
●村田忠禧(横浜国立大学名誉教授、中国問題専門家。1973年、東京大学文学部中国文学科卒業。1986年、東京大学大学院中国哲学専攻博士課程修了)
歴史的事実として、日本が領土権を主張する尖閣諸島は、琉球諸島ではなく、中国に帰属するものだ。日本が1895年に尖閣諸島を占有したのは、日清戦争の勝利による「火事場泥棒」のような行為によるもので、正々堂々と領有権を獲得したのではない。このような史実を捻じ曲げることは許されない。「事実に基づき真実を求める」考え方と客観的・科学的分析を行うという姿勢を決して崩してはならない。
我々は、いとも簡単に、政府、政党、メディアが発する意見を「正解」だと認識してしまう。だが、それらが決して真実であるとは限らない。我々にとって最も大切なことは、「真理」「真理」「真理」であり、国家の利益ではない。国家は時として、自国に不利な事実を覆い隠す傾向がある。この点において、政党とメディアも同じ問題をはらんでいる。
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