昨年5月、神崎さんは上海で尺八と筝をテーマにしたイベントに参加し、その音色を多くの中国人に届けた。韓さんによると、神崎さんはこのときすでにかなり体調を悪くしており、これが最後の上海訪問になったという。
神崎さんは昨年3月、上海音楽学院でも尺八教室を開いており、同校がまだ尺八の授業カリキュラムをもつだけの条件がないことをとても残念に思っていたという。尺八の楽譜は日本のカタカナで表記されており、尺八を学ぶには師匠が直々に指導に当たる必要がある。尺八制管師は中国国内にまだ一人もいないという。
神崎さんの訃報を知り、韓さんともう一人の弟子である駱金晶さんは上海の公益組織である玉蘭草堂と協力し、二週間に一度の尺八練習会を開くことにした。講師は日本で審査を受ける。現在中国国内で尺八の指導に当たることのできる人材は指折り数えるほどしかいない。
尺八の演奏者の演奏水準が一定レベルに達すると、竹号(ちくごう)と呼ばれる芸名が与えられるが、神崎さんの竹号「貴園」の名に因んで、駱さんらは「貴園会」という会を組織し、尺八の普及に当たっている。尺八に興味があれば誰でも入会できると駱さんは語る。(編集IM)
「人民網日本語版」2015年3月2日
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