2015年1月5日はアニメ界の巨匠・宮崎駿監督74歳の誕生日だ。2014年映画関係者の最高栄誉であるアカデミー名誉賞を受賞した宮崎駿監督、日本だけでなく、世界のアニメ界でも不動の地位を築いている。「アニメ界の黒澤明」とも評され、中国でも大きな影響力を誇る。彼の作品は常に中国人に感動を与えている。
「風立ちぬ」(2013)
あらすじ:世界的な孤立の果てにある煉獄へと突き進む日本。そして永久の別れへと向かう愛妻との日々。過酷な現実に遭遇し続けながら、それでも空を見上げ、夢を追い続ける一人の男の物語・・・
◎反戦思想が波紋に
スタジオジブリは2013年7月26日に韓国メディア向けの記者会見を行った。会見では、宮崎監督が新作「風立ちぬ」のプロモーションを行ったほか、「戦争を美化している」とする韓国メディアの批判に回答した。宮崎監督は、「東アジアはすべて仲が良くなければならないと思う、中国や韓国、日本は互いに戦ってはならないと思う」という考えを示し、慰安婦の存在については、「第2次世界大戦当時の日本政府は日本人をあまり大事にしていなかった。当然他国の国民も大事にできなかった」と語った。また、「日本は早くに慰安婦の問題を解決するべきだった。日本は韓国と中国に謝罪するべきだ」として、「慰安婦問題は、それぞれの民族の誇りの問題なので、日本はきちんと謝罪してちゃんと賠償すべきだ」という考えを明らかにした。
「読売新聞」の報道によると、記者会見の翌日、宮崎駿監督が取締役を務めるスタジオジブリの公式サイトに2000を超えるコメントが投稿された。このほとんどが宮崎駿監督の言論を批判する攻撃的なものだった。日本のメディアによると、宮崎駿監督の言論は「大きな災いをもたらす」もので、スタジオジブリがこの言論に加担したことは「非常に愚かなことだ」と批判した。
「風立ちぬ」は第2次世界大戦期の物語だ。台湾地区の「中国時報」によると、宮崎監督は第2次世界大戦を「愚かな戦争」と語っている。子ども時代、大人たちが中国での日本軍の悪行を堂々と語るのを聞き、自分は「とんでもない事をした」国にいると感じ、「心から日本が嫌いになった」と語っている。