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テープカットに臨む来賓たち |
2014年11月25日から28日まで、「共鋳大器」(共に大器を作り上げる)――中日共同制作宜興陶磁器展が東京中国文化センターで開催された。25日には、日本元首相鳩山由紀夫氏、中国在日本大使館公使韓志強氏、中国国際出版集団副総裁王剛毅氏のほか、作品を共同制作した中日両国の芸術家、日本芸術界の友人同士、両国メディア同士など100人余りが出席してオープニング・セレモニーが行われた。
同展には、中国江蘇省宜興の紫砂工芸品が出品された。宜興における陶器製造の歴史は6500年にも及び、宜興特有の紫砂陶芸技法は2006年に中国無形文化財に指定されている。宜興では明代中期以降、多数の紫砂陶芸の巨匠や名工が輩出している。清の嘉慶年間(1796~1820年)、西冷八家(清代に杭州を中心に発展した篆刻流派のうち最も権威があった8人)の1人である陳鴻寿(号は曼生)は、陶芸家の楊彭年と共に18種の茶器を創作し、紫砂陶器と中国書画融合の先駆者となり、紫砂茶具の文化性、芸術性を高めた。こうした芸術性の影響は現代も続いており、今回催される「共鋳大器」の発想のもとにもなっている。
これまでと異なり、今回の「共鋳大器」の出展作品は、中日両国の政治家や書画名人と、宜興紫砂工芸の名工が共同で作り上げたものだ。その中には、駐日中国大使程永華氏、日本公明党党首山口那津男氏、民主党党首海江田万里氏、日本前首相鳩山由紀夫氏など中日両国の政治家と、中国書道家協会副主席の何奇耶徒氏、中央美術学院院長の潘公凱氏、全日本書道連盟理事の田中節山氏など両国政界、芸術界の著名人による題字作品がある。これは一種の革新であり、伝承でもある。宜興の紫砂陶器という伝統芸術の形で、中日両国の友好と民間文化交流の継承と発揚を目指しているのだ。
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鳩山由紀夫氏と交流する王剛毅副総裁 |
開会にあたり、中国在日本大使館公使の韓志強氏があいさつに立ち、「共鋳大器」で共同で作り上げたのは、芸術品の紫砂陶器だけではない。より重要なのはこの芸術品には中日両国政治家と文化名士が両国人民の相互理解と友誼に寄せた期待と願望が込められていることだ。両国関係は、2年余りの困難な時期を経験してきた。この間、いかにして歴史問題と釣魚島問題という2つの政治的障害を乗り越え、両国関係の改善を促進するか、中日双方は大事な原則的共通認識に達した。習近平主席も安倍晋三首相と会談した。両国関係が転機を迎え、関係改善に重要な一歩を踏み出したと言える。日本政府には、われわれと一緒に、しっかりとその重要な共通認識を守り、実行し、両国関係を改善と発展の方向に向かわせ、推し進めていってほしい。両国関係が重要な一歩を踏み出したと同時に、中日両国の政治家と芸術家も共同で紫砂陶器を作り上げた。これは、天の時、地の利、人の和が備わった重大な意義を持つイベントである。心より、両国政治家と芸術家が共同で作り上げた「大器」が中日関係改善、発展の看板的な宝物になるようとお祈りする、と今回のイベントの意義を評価した。
「共鋳大器」作品づくりにかかわったひとりとして、日本元首相鳩山由紀夫氏は次のように述べた。紫砂茶器に刻んだ「中日友愛」には、個人の感情と見解をこめた。交流で、紫砂陶器工芸大師万亜鈞さんと中国外文出版発行事業局の王剛毅さんは、「中日友愛」の四文字は1200度の高温で焼き上げられ、これから末永く存続していくだろうとおっしゃった。私も同感である。韓公使がおっしゃったとおり、現在、日中関係は厳しい局面に直面しているけれど、習主席と安倍首相の会見は、実に心強かった。日中関係をさらに発展させるために、双方は会見前に達成した「四つの原則的共通認識」をしっかりと守り、実行すべきだ。これから、もっと「共鋳大器」イベントのように、日中双方が共に努力して作品を作り上げ、友好の環境整備を整え、日中関係の氷を溶けさせ、前へ発展させるイベントをたくさん行ってほしい。
続いて中国国際出版集団副総裁の王剛毅氏があいさつに立ち、ここで知り合いとなった中日の芸術家と文化界名士は、長年来、中日文化交流と友好活動に携わっている。皆さんの事跡を聞いて、このイベントを「共鋳大器」と呼ぶのは実にふさわしいと感じた。中国には、「皆で薪を拾えば、たき火は燃えさかる」ということわざがある。今回の陶磁器展をきっかけに、皆でもっともっと中日友好というたき火に薪をくべて、「中日友愛」の温度を上げ、中日両国人民の友好交流を途切れることなく発展させていこうではないか、と述べた。
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鳩山由紀夫氏に作品を紹介する陶芸家の万亜均氏 |
人民中国インターネット版 2014年12日3日 |