習近平国家主席は10日、アジア太平洋経済協力(APEC)会議出席のため訪中した日本の安倍晋三首相と会談した。(文:賈秀東・本紙特約論説員、中国国際問題研究院特別招聘研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
両首脳の会うシーンを見ると、これは「熱意」ある会談ではなく、習主席と他の首脳との温かく、熱のこもった会談とは鮮明なコントラストを成すものだった。こうした会談の雰囲気は、中日関係の現状をありのままに反映している。過去2年余り、中国の関係する歴史、領有権、軍事・安全保障政策の3大問題における日本政府の誤った言動によって、両国関係は冷え込んだ。習主席の言葉を借りるなら「中日関係に深刻な困難が生じた理非曲直は明らか」だ。3尺もの厚い氷は1日の寒さでできたものではない。この事態が生じた根本的原因は、日本が中日間の4つの政治文書の原則と精神に背いたことにある。
中日関係の大局から見ると、これは「熱意」は欠くものの、「重み」のある会談だった。「重み」があると言うのは、今回の会談を受けて中日関係が直ちに好転したという意味では当然ない。「重み」があると言うのは、今回の会談が方向を見失った安倍政権に正しい方向を指し示し、両国関係が正常な軌道に早期に戻る可能性をもたらしたからだ。中日関係は現在、重要な岐路に立っている。中日関係がどこへ向かうか、安定して健全に発展できるか否かは、両国の根本的利益に関わり、国際社会もあまねく注視している。双方は過去何か月か、中日関係の政治的障害の克服について外交ルートで協議を重ねてきた。そして先日、中日関係の取り扱いと改善について4つの点で原則的な意見の一致をみて、対外発表した。今回の会談は、両国の最高政治レベルでこの4点を確認したに等しい。
中国側は今回の会談の具体的セッティングについて、「受け入れた」ものであることを強調し、安倍氏に対して、その言葉を聞く以上に行動を見る必要があるとの姿勢を示した。安倍氏は第2次政権発足以来、中国首脳と会談し、中国側と対話したいとの意向を繰り返し表明してきた。昨年1月には習主席への親書で「大局的観点から、日中の戦略的互恵関係の前向きな発展を促したい」と表明。昨年9月に習主席とサンクトペテルブルクのG20サミットで短く話を交わした際には「ここで習主席にとても会いたかった。私は日中関係の改善を切実に希望している」と述べた。安倍氏は毎回こうした発言がまだ人々の耳に残っているうちに、前言を翻すような言動をしてきた。「二面性」が非常に目立ち、誠意を欠いてきた。安倍氏の前科および日本国内の政治右傾化のファンダメンタルズに変化がないことを考えると、安倍氏およびその政権に対して警戒し続けるのは当然のことだ。中国側は、善意の限りを尽くしたセッティングを通じて、心から悔い改めてやり方を変える機会を安倍政権に与えることも当然望んでいる。
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