国際通貨基金(IMF)は7日、世界経済の成長に関する予想を再度下方修正し、2015年の世界経済の成長率を3.8%と予想した。IMFは、世界経済に活力を注ぎ、需要を拡大し続ける必要があるとした。中国新聞網が伝えた。
IMF主任エコノミストのオリヴィエ・ブランチャード氏は、7日に開かれた記者会見で、「現在の世界経済の成長に影響を及ぼす主な要素は二つある。一つ目は金融危機の持続的な影響、二つ目は低成長の予想だ。需要拡大による経済への活力の注入は、各国政府の優先的な選択肢になっている」と指摘した。
同氏は、「先進国のうち、米国と英国は金融危機の影響から逃れようとしている。しかし2000年前後と比べ、その潜在的な成長の勢いは楽観視できない。ユーロ圏の経済は今年の早い時期から停滞に陥っており、特に南欧諸国からの影響でユーロ圏の成長率が低下を続けている」と分析した。
日本の経済成長も、大きな課題に直面している。円安は輸出の大幅な成長を促さず、膨張する債務と低迷する個人消費は、依然として日本政府に突きつけられた厄介な問題となっている。また日本経済の構造調整と財政改革の先行きも不透明だ。
新興国の間には大きな差があり、各国は異なるリスクと課題に直面している。全体的に見て、新興国の成長率は、低下の流れを示している。そのうち中国は依然として力強い成長の勢いを維持している。中国経済の成長率はやや低下する可能性があるが、健全な発展の流れを継続すると見られる。インド経済は新政府の指導により、5%の成長率を取り戻す可能性がある。ロシアやブラジルなどの成長率は、低下を続ける恐れがある。
IMFで世界経済を研究するダッタグプタ氏は、「西アフリカで猛威を振るっているエボラ熱は、リベリア、シエラレオネ、ギニアの3国に悪影響を及ぼしているが、長期的に見るとこの影響は限定的だ。IMFは1億3000万ドルの緊急資金の拠出を許可しており、財政リスクを抑えることができる」と述べた。
IMFと世界銀行の2014年秋季総会は、今月10-12日に米国の首都・ワシントンで開かれる。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年10月8日 |