日本の朝日新聞はこのほど、日本軍が済州島で女性を暴力で強制連行し、慰安婦にしたことを証明した1991~1992年の一連の記事の取り消しを発表した。この声明に、日本の右翼メディアは歓呼の声に包まれた。(人民日報「鐘声」国際論評)
朝日新聞による記事の取り消しという行為は、安倍晋三氏の指導下で激化し続ける日本の右傾化の産物だ。今回の件によって国際社会は、日本が右傾化の道に沿って一歩一歩滑り落ち、暗黒国家へと変りつつあることも目の当たりにした。
しばらくの間というもの、日本のマスメディアが人類公認の正しい道理と正義に挑戦する茶番がひっきりなしに起きている。同時に、事実を捏造し、企てをもって中国と他国との関係に水を差す中国関連報道もことのほか目に余る。
昨年末に朝日新聞は、日露が間もなく開催する外相、防衛相による「2+2」会談について、日本はロシアとの関係を強化することで中国を牽制することを望んでいると分析した。その後、ロシアは「会談によって中国を牽制する」との日本の見方に強い反対を表明した。
先月、共同通信は8月1日に発表される予定だった日本とブラジルの共同声明を暴露し、「中国を牽制する」内容が含まれると報じた。だが最終的に発表された共同声明に東中国海や南中国海の問題は含まれず、「海洋紛争」という言葉さえなかった。
いわゆる「中国の脅威」を悪意をもって誇張する面において、一部日本メディアは尋常ならざる衝動を持っている。中国政府が年度国防費を発表すると、すぐに「中国の国防費の膨張は平和を脅かす露骨な軍拡路線」と論評。中国が「盧溝橋事件」(七七事変)を盛大に記念すると、あろうことか「中国の威嚇の触手は目と鼻の先に」と解釈。中国が年度定例軍事演習を実施すると「日米を仮想敵として実施した可能性が高い」との憶測を示す。
さらにたちが悪いことに、事実によって強烈なびんたを食らった後も、人心を惑わし、対立を煽る日本メディアは何事も起きなかったかのように平然としており、反省し、悔い改める気持ちがみじんもない。
安倍政権と日本メディアの関係が「どんどん順調」になっていることは、とうに秘密ではなくなっている。まさにこれを背景に、侵略の歴史を否認さらには美化し、いわゆる「中国の脅威」を悪意をもって誇張し、地域の安全保障情勢に人為的に緊張した雰囲気をもたらすことにおいて、一部日本メディアの報道は安倍政権の歩調と驚くほど息が合っている。英紙エコノミストは少し前に「安倍氏にとって、メディアの立場を変えることは戦略上優先事項だ」と論じた。日本メディアはすでに相当言うことを聞くようになり、不健全にすらなっている。
メディアを操って軍国主義の侵略戦争に向けたムードづくりをする面において、日本政府は不名誉な歴史を持つ。甲午戦争(日清戦争)の時期、日本政府はメディアを操り、買収さえして、対中侵略戦争を「文明」対「野蛮」の戦争として描き、東アジアの平和の救世主という日本のイメージづくりをした。戦争勃発後、政府と軍部に支えられて、日本の各大手メディアは従軍記者を派遣したが、その報道活動と内容は戦地の高等司令部の厳格な審査と監督を受け、メディアは日本の侵略戦争を美化する機関に成り果てた。第2次大戦期間、日本政府は再びメディアの力を借りて民衆を戦争へと動員し、様々な嘘によって国際社会を欺いた。
こうした不名誉な歴史から得る啓示は各人各様だ。もしメディアがいかにして歴史に対して責任を持つのかをわきまえないのなら、国家の未来、国民の命運に対して責任を持つ重任をどうして担うことができよう?(編集NA)
「人民網日本語版」2014年8月12日 |