日本の安倍晋三首相は先頃、埼玉県加須市にあるメーカーの工場と東京都内の特別養護老人ホームを視察し、取材に答える中で、「日本はロボットを新しい成長戦略の重要な柱にする。ロボットの潜在能力を開拓することで日本経済の成長を実現したい」と強調した。人民日報が伝えた。
安倍首相のロボット構想は一時的な思いつきではない。ここ数年来、日本は多くの分野でロボットの普及に力を入れており、高齢者の介護、農業、工業、災害救助などを重点としてきた。一方では、ロボットを利用することで人口の高齢化と労働力減少などがもたらす一連の社会問題を解決すると同時に、成長を促す役割を果たしたい考えだ。また一方では、日本政府は補助金の支給、減価償却、減税、優遇ローンといった一連の支援方法により、ロボットメーカーが技術革新を進めるよう奨励し、社会と企業がロボットの応用力を強化するよう推進して、未来のグローバル人口知能の戦いの中で主導的優位に立つことを目指している。
日本は「ロボット王国」と呼ばれる。1980年代以降、ロボットの生産と輸出はいずれも世界一だ。日本はまた世界最大のロボット消費市場でもある。2012年の国内市場は約7千億円の規模に達し、20年には2兆4千億円に達することが予想される。統計によると、現在、投入・使用されている産業用ロボットは約100万台に上り、そのうち40%が日本にある。分布先の分野をみると、現在の日本ではロボットは主に自動車製造と電子機械製造の分野で使用され、中でも電子機械産業の部品パッケージや半導体パッケージなどの分野が約半数を占める。
日本はロボット産業でもともと優位に立っており、未来の人工知能技術には巨大な発展の可能性があり、こうしたことが安倍首相にロボットが未来の日本経済の新しい経済成長源になるという夢を見させたのだと考えられる。日本政府はロボットを「新経済成長戦略」に組み込むことを決定し、これによって他産業の発展を牽引しようと考えた。だが、現実は当初のもくろみとは大きくかけ離れている。
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