日本の輿論は、同報告書は安倍首相の提唱した「積極的な平和主義」の理念、「安保新枠組み」に呼応したほか、ODAにより戦略的な外交を強化し、外交の空間を切り開こうとしていると分析した。また、中国に対する備えと警戒も、日本が政策を変更する重要な原因の一つだ。読売新聞は、「軍事禁止の緩和は、中国の要素を鑑みてのことだ。中国が海洋活動を強化する中、日本はODAの援助額の3割を占める東南アジア諸国を援助することで、軍民両用の空港や港湾などの建設を支援できる」と報じた。
ODA大綱の修訂は、具体的に援助を受ける国については明記しなかった。しかし産経新聞は、「ODAにより東南アジア諸国に巡視船を提供し、海の勢力範囲を拡大する中国をけん制・抑制できる」と伝えた。日本メディアの報道によると、南中国海・東中国海で係争を抱えるベトナムやフィリピンが、真っ先に利益を受けることになる。日本はODAにより、ベトナムに10隻の巡視船を提供することを検討中だ。
野党と社会の専門家は、新たなODA政策が軍事目的に濫用されると批判した。この提案が実施に移されれば、日本が自らに課した対外援助の拘束が緩められ、「禁区」に足を踏み入れることを意味する。朝日新聞は、新大綱は安倍政権の安全保障の「3本目の矢」であり、中国けん制の強化の意図が示されたと伝えた。残りの2本の矢は、今年4月の防衛装備移転三原則の閣議決定による武器輸出の解禁、それから全力推進中の憲法解釈見直しによる集団的自衛権の解禁だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月30日 |