中国メディアが見る日本
日本の不動産バブルが崩壊した1990年代初頭から現在までの20数年来、日本経済はデフレの影響を受けて不景気となり、不動産価格もそれに伴って下落した。しかし、昨年9月、2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致に成功したというニュースが発表されると、日本経済に極めて大きな影響がもたらされた。最も顕著な例に、各地域の不動産価格の回復傾向が見え始めたことがあげられる。人民網が伝えた。
1974年設立の不動産会社、ユアーズ·コーポレーションの丸山秀士代表取締役会長は不動産投資フォーラムで、日本の地価上昇の傾向が現れていることを評価し、「バブル経済期を経た後で、不動産価格がより適切かつ正常に回復したものと理解している」と語った。
2012年末、安倍政権に変わって以来、日本は景気回復のための経済対策を強力に推し進めてきた。日本経済はすでに20年間のデフレに苦しんでいる。そのため、日本銀行は現在インフレ目標2%とする金融緩和政策を採っている。これについてアナリストは、「同政策は今後も長期的にわたって堅持されるものとみられ、日本経済が今後デフレから脱却できる可能性もある」と指摘している。
これまでの為替レートを見ると、急激に円安が進行した場合、金融商品の価格は急激に上昇する。調査によると、このような状況下において、投資用不動産が受ける影響は最も顕著であり、不動産価格もさらに上昇する傾向にある。
丸山氏は、「中国経済の発展には非常に驚かされる。日本人として、特に会社経営者の立場からすると、非常に羨ましい。しかし、中国経済の急速な発展によって、不動産価格は急激に高騰し、投資収益率は明らかに低下していると聞く。このため、日本の不動産が新しい投資先の一つになることもできる」と語った。丸山氏によると、日本の各都市・地域の不動産価格の動向はそれぞれかなり異なるという。このため、「詳細な分析により、いったいどの地域の不動産価格が上昇するかを見極めることが非常に大切」とアドバイスする。
2020年東京五輪開催のニュースが公表されるやいなや、巨大な経済効果が生まれた。道路・交通・都市計画などのインフラ整備が再び開始され、民間における各種さまざまな大規模プロジェクトも次々と計画されている。また、日本政府は東京を日本経済成長の特区とする大規模な再開発を推し進めている。公共施設への投資や、金融緩和政策、税制改革などの計画・実施もすでに始まっている。
丸山氏は同フォーラムで次のように語った。「投資者にとって、東京は不動産投資価値が極めて高い都市だ。東京の不動産価格は依然として実際の需要と比較すると、ほぼ底値の水準を保っている。特に海外投資家にとって、円安の今、この1年以内が投資を行う絶好のチャンスだ」。
現在、東京に滞在している中国人留学生の数は非常に多い。実は、東京の不動産への投資によって、留学中の子女と親が会いやすくなるというメリットもある。これについて丸山氏は次のように語る。「1人っ子が大多数を占める中国では、多くの高齢者が国内に残されるという現象が起こっている。不動産投資によって、比較的簡単に日本の投資経営ビザが取得できるようになり、この方法で親は日本に赴き子供と会うこともできる」。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年6月18日 |