中国は2008年から海外ハイレベル人材招致「千人計画」を実施しており、国の発展戦略目標に基づき、国家重点革新プロジェクト、重点学科、重点実験室、ハイテク産業開発区を中心とする各産業パークなどにおいて、重要技術の革新、ハイテク産業の発展推進、新興学科のけん引が可能な戦略的科学者とリーダー人材の誘致を行い、これら人材の帰国と革新、創業を重点的に支援している。「千人計画」の実施から6年を経た今、中国の在外大使館はさまざまな手段を利用し、積極的に海外優秀人材の帰国を促進している。新華社が報じた。
在日本中国大使館教育処の譚永東氏は「当大使館は主に、海外学者・留学生に対して関連の政策の宣伝・説明を行っている。また、中国留日同学総会、在日華人自動車エンジニア協会などを通じて海外在住の科学者と連絡をとり、中国国内における求人情報を共有している」と語る。
譚氏によると、「千人計画」の選出者の多くが海外滞在期間が長く、経験豊富な専門家・学者であり、40―50歳が多い。現在は、優秀な青年学者を対象とした「青年千人計画」も立ち上げられており、第5陣となる「青年千人計画」では1975年以降生まれが90%以上を占めたという。ますます多くの海外青年が帰国し、国内で才能を発揮する道を選んでいる。
東京理科大学の趙新為教授は、半導体ナノテクノロジー分野の専門家だ。趙教授は2003年、中国科学院の「百人計画(優秀人材の招致、育成政策)」に選ばれ、2011年には国の「千人計画」に選出された。中国の人材政策に後押しされ、趙教授は徐々に重点を中国国内に移し始めたという。趙教授は「中国国内に実験室が設立された。毎年5-6回は帰国し、国内の研究進捗を把握し、次なる業務の展開を指導している。実用化が近い研究の重点を国内に置き、産業界との協力を通じて研究成果を製品に転化していきたい」と語る。
趙教授は国内外の研究環境の違いについて、「実験室の人材の質という点から見ると、中国の方が日本より高い。中国の研究費と実験設備も海外に劣っていない。人材誘致、研究の奨励に向けた中国の支援力は非常に大きく、日本を上回っている」と語る。
中国留日同学総会の汪先恩会長は、「海外人材の帰国を促す上で、雇用者側と海外人材間の情報交流手段を確立する必要がある。国内での兼職といったフレキシブルな方式で、海外の優秀人材を広範囲で誘致していくべきだ」と語る。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年6月5日
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