中国メディアが見る日本
2014年05月19日16:40 これまでほとんどの時間やエネルギーを仕事に費やしてきた佐藤さんは、このほどようやく定年を迎えることになった。晩年は穏やかに家族との団欒を楽しもうと思っていた矢先に、結婚して30年になる妻から突然離婚の話を持ち出された。人民日報が伝えた。
近年、日本社会で長年連れ添った夫婦の離婚が日増しに増えている。このような現象は「熟年離婚」と呼ばれる。日本の厚生労働省が発表したデータによると、1980年から現在までに、日本社会の熟年離婚の件数は2倍近くにまで増加しており、大多数の離婚訴訟は定年間際の夫に対し妻側が切り出している。
日本の女性は優しく、気がきき、良き妻であると言われている。多くの日本男性も水蓮のごとく貞淑な妻がなぜ晩年になって反旗を翻すのか理解に苦しんでいる。ある日本人男性の友人は、「熟年離婚の男女が増加している原因は、夫婦関係が不和になったり、気持ちが冷めてしまったりすることによる。通常仕事に全精力を傾ける日本の男性は定年後、家で何をしたらいいのかわからなくなる。興味や趣味もなく、親しい友人もおらず、毎日所在なさげにしているのに、家事も手伝わず、家の粗大ゴミと化している」と語る。
日本の専門家は次のような見方を示している。「日本経済の高度成長は、1世代の家庭生活を犠牲にした上に成り立ったものだ。『熟年離婚』の原因を夫婦関係の不和に過ぎないと考えるのは問題を単純化しすぎている。現在、熟年期に入った世代が結婚した頃、ちょうど日本経済は高度成長期に入り、政府は様々な方策で、男性に非常に大きな負荷の仕事を与える一方、女性には専業主婦になるよう推し進めてきた。この時代の家庭内の分業モデルが熟年夫婦の関係性に導火線を埋めこんでしまった」。
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