中国メディアが見る日本
あるメディアが数日前、北京大学の修士課程生・張天一さんが「牛肉粉(牛肉ビーフン)」を売っていると報じたばかりだが、「中国青年報」は22日、また新たなニュースを掲載した。大手IT企業男性社員数人が辞職し、「肉挟饃(中国風ハンバーガー)」を売り始めたという。これは今どきのエリートが我先に飲食業に身を投じるテンポなのか?工人日報が伝えた。
10年以上前、北京大卒業生が豚肉を売るニュースが熱い話題となり、惜しむ声が多数聞かれた。だが今どきの大卒エリートが「ささやかな商売」をするのは、明らかに異なる意味合いを持つ---もはや生計を立てるためにやむなくする訳ではなく、勇敢に創業の道を自ら選択するのだ。
張天一さんの夢は「ビーフンを芸術にし、尊敬される業界にしたい」。彼の理想は日本の鮨職人・小野二郎氏(88)。世界最年長のミシュラン三つ星シェフだ。鮨一筋で握り続け、自身、そして弟子にも最高に厳しい要求を課す。鮨を握る自分の手を守るため、手袋をはめて眠るほどだ。
小野氏は地下1階の小さな鮨店をひっそりと守っている。「一生待ち続ける価値ある美味」と讃えられる。まさにこのような頑固さは、記憶の中の味わいを変えず、芳醇さを醸し出す。ある仕事の価値は収入水準、あるいは安定度だけで計ることはできない。仕事には理想のあくなき追求、進歩と成功の充実、喜び、自己満足、そして社会的認知もふくまれる。
若い創業者にとって、飲食店はお客の腹を満たす職業にすぎないが、独立することで自身の経営管理能力が総体的に鍛錬される。多くの業界、とりわけ伝統的サービス業も、高い素養のフレッシュなパワーがもたらす改革と向上の需要が切迫している。実際に近年来、多くの地方が大卒者の自主創業を奨励・支持する政策を打ち出している。「色眼鏡」を捨て去り、勇敢に創業にチャレンジする若者がいっそう尊重・奨励されることは、転換・上昇する中国経済、そして多元化しつつある中国社会に、ますます発展する原動力をもたらすだろう。(編集HT)
「人民網日本語版」2014年4月25日 |