日本は今月から消費税が3%上がり8%になった。これを機に値上げに踏み切る業者が増えており、牛丼チェーン店の吉野家などは増税分を上回る値上げを行った。分析によると、安倍晋三首相は経済刺激策と金融緩和政策を通じて15年にわたるデフレ脱却を試みたところ、急激なインフレを招き、人々の生活の負担が重くなり、アベノミクスは社会からの支持を失う可能性がある。
コーヒーショップチェーンのドトールコーヒーは2月、増税、人件費、原料コスト上昇に対応するため、10%の値上げを発表した。吉野家や飲料メーカー・サントリー、ヘアカット専門店QBハウス などの値上げが3%を上回っている。最も正確に過去2年の日本経済を予測してきたエコノミストの新家義貴氏は、日本の今月のインフレ率は3.5%で、1982年以来の高水準となると予想する。
商品の値段は上昇しても、日本人の賃金は上昇していない。政府が発表したデータによると、残業手当がボーナスを除いた2月の基本給は0.3%減と21カ月連続で減った。日本のシンクタンク、ニッセイ基礎研究所の斎藤太郎氏は「家庭の実際の収入は減っているため、インフレの加速は国民の負担が増えるだけで、経済再生にも悪影響を与える」と指摘する。
日本銀行政策委員会審議委員の白井さゆり氏は、「政府と日銀が直面している課題はいかに民衆の視線をデフレ脱却後の長期的利益に向けさせるか」とし、「当面は物価上昇を拒絶する人が非常に多く、どんな急激なインフレも消費者の信頼感を悪化させ、経済成長促進をより困難にする。日本の2月の消費者信頼感指数は38.3で3ヶ月連続下落。2011年9月以来の最低となった。増税により、今季の日本は3.35%の経済収縮となる見通し」と指摘する。
新家氏は、「日本経済はデフレ傾向後、2つの道がある。一つは家庭の消費が減り、景気回復が力不足で、アベノミクスが危機に陥る。2つ目は、家庭の収入増加が消費を後押しする」と指摘した上で、「インフレ傾向はインフレ年率を日銀の2%という長期目標に近い1.9%まで押し上げるだろう」との見方を示す。
インフレの加速とともに、日銀が新たな刺激策を打ち出すチャンスは減るが、4~6月の経済データは予想を下回り、日銀が7月の金融政策決定会合で何らかの措置を講じる可能性はなお高いというのがエコノミストの一般的な見方だ。ブルームバーグの調査によると、72%のエコノミストが日銀は遅くとも7月までに金融緩和政策を打ち出すとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」より 2014年4月17日 |