アジア開発銀行(ADB)の中尾武彦が先月25日に東京で述べたところによると、継続的な経常収支の赤字と巨額の財政赤字が日本の国債の信用状況と経済の健全な発展を損なっている。あるデータによれば、日本の現在の債務残高の国内総生産(GDP)に対する比率は240%を超え、これは財政収入の20倍にあたり、世界のすべての国の中で最も高い割合だという。
日本銀行(中央銀行)の関係者は次のような事態を懸念する。消費税率を引き上げて財政の穴埋めをしなければ、投資家は政府に国債償還の意志がないとみなし、市場金利は高騰し、企業や国民投資・消費への意欲が致命的な打撃を受けるという事態。その一方では、日本の公債に占める外貨の割合はわずか8%で、国債を大量に買っているのは日本国民であることから、今回の増税によって公債への需要を維持することが難しくなり、復活の兆しをみせはじめた日本経済に深刻な打撃を与えるという事態。こうして安倍首相の経済政策は進むことも退くこともできない進退窮まる状態に陥ったという。
日本政府は先月28日、国家戦略特区6地域を指定し、全国に経済成長効果を拡散することを期待するとした。この政策はアベノミクスの第3の矢、つまり最後の一手とみなされているが、効果の程は疑問視されている。ある日本の年金問題の専門家はこのほど英国紙「フィナンシャル・タイムズ」の取材に答える中で、「日本の人々は今、ゆっくりと確実に最悪の事態に向けた準備を進めている。最悪の事態とはアベノミクスが失敗に終わることだ」と心配顔で語った。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年4月2日 |