哈爾濱（ハルビン）市社会科学院731問題国際研究センターが26日に明らかにしたところによると、同センターの「米国が公開した日本細菌戦公文書の調査研究」課題チームがこのほど、旧日本軍731部隊第2代部隊長の北野政次が戦後米軍に対して行った供述書の中国語への翻訳を完成させた。これは、731部隊の中心人物が供述した記録として初めて発表されたもの。供述書の中で、北野・元隊長は、細菌兵器の研究を進めていたことを認め、731部隊の任務・編制、いわゆる「医学研究」について体系立った供述を行い、また、石井四郎・初代部隊長が731部隊を組織・設立した過程や石井の後継者としての役目を負った経緯などについて述懐している。文匯報が伝えた。

731問題国際研究センターの韓・副研究員は、次の通りコメントした。

731部隊研究の突破口を米国が開いたのは、日本の敗戦後、細菌戦に関わった日本の戦犯が、戦争裁判から逃れる目的で、自分達が掌握していた細菌戦に関する多くの「成果」を「免罪符」として、米国と裏取引を行ったことが原因だ。そのような経緯から、米国は731部隊の生の資料を真っ先に手に入れた。中国に保存されている731関連資料の多くは、第2世界大戦後に収集されたもので、直接入手した証拠資料は非常に少ない。

北野政次・元隊長は、供述の中で、次のように語っていた。

細菌兵器は、医学に逆行するものであり、人道主義に反する。国際軍縮会議や国際連盟の会議では、頻繁に話題として取り上げられ、決して使用すべきではないとの共通認識に達している。個人的に掌握している医学上の知識をもとに軍事目的の細菌兵器研究に従事することは、苦労が多い割に収穫は少ない。また、細菌兵器は軍事上、ある程度補助的な役割を果たすことはできるが、勝利をもたらすことのできる兵器では絶対にない。

ハルビン社会科学院の専門家は2011年、米国国立公文書館と米国会図書館を訪れ、2週間かけて731部隊問題の調査研究を行い、日本側が米国に渡した731部隊の核心資料を手に入れた。帰国後、資料は20冊にまとめられ、翻訳・整理作業が進められた。米国は昨年、米国と731部隊関係者との裏取引に関する文書、米軍が731部隊の中心人物に対して行った極秘取調べの記録、米軍担当者が記録した調査報告書を公開した。このうち、米軍と731部隊との間で行われた裏取引の核心資料「Aレポート」「Gレポート」「Qレポート」には、データ解析、カラー解剖図、器官感染ルートなどの記録が含まれており、731部隊が人体実験を行った事実の動かぬ証拠となった。（編集KM）

「人民網日本語版」2014年3月28日