男尊女卑の観念が深く浸透している日本社会では、女性の社会的地位は相対的に低い。就職や昇進、賃金面における性別格差も大きく、男女平等度ランキングでも世界のワーストクラスに甘んじている。しかし、近年この現象にも変化が見られるようになってきた。日本の男性たちはネット上で、「家では発言権がない」、「小遣いが少ないことを不満に思っているが、怖くて妻に言えない」などと多くの愚痴をこぼし始めている。スポーツ界でも、近年サッカー女子日本代表の「なでしこジャパン」の活躍は目覚しく、政治面でも、安部内閣が日本経済の成長戦略として「女性の活用」を掲げている。これまで道を歩く際にも夫の三歩後ろを歩いてきた控えめな日本女性の「逆襲」は本当なのだろうか?雑誌「環球」が伝えた。
■「妻はリビング 俺トイレ」
週刊誌「週刊ポスト」の最新号に、「最近、日本に『恐妻家』が急増しているらしい」という記事が掲載された。それによると、「休みの日、食器の片づけや部屋の掃除をしていると、子供の前なのに『お皿を置く場所はそこじゃないの。何度いったらわかるの?』『そんな掃除の仕方じゃダメよ』と怒鳴られる。これじゃあ、子供が父親のいうことを聞かなくなるはずです」と30代会社員の男性が自分の家庭内の地位について語っている。
また別の大企業の中間管理職を務める40代男性は、「『一家の主である夫を立てる』なんていう美風は、もはや日本には存在しないようだ」と嘆く。
「領土権 妻はリビング 俺トイレ」。これは、第一生命が毎年募集するサラリーマン川柳の受賞作品だ。3歩下がって控えめだったはずの妻たちの権力がすでに夫を凌駕しているという、現在の日本家庭の伝統的な「権力構成」の変化が反映されている。
ファイナンシャルプランナーの花輪陽子氏は、このような現象は、主に妻が家計を管理していることに起因しているという見方を示す。オリックス銀行が2013年に行った調査によると、6割近くの日本の家庭で、妻が家計を管理し、夫に小遣いを与えているという。
新生銀行が発表した「サラリーマンのお小遣い調査30年白書」では、2012年のサラリーマン男性の1カ月の小遣いの平均は3万9756円で、給与の10%(厚生労働省2012年のデータによると、日本のサラリーマン男性の1カ月の平均給与は36万円)にあたる。これには、勤務日のランチ代も含まれる。53.4%の夫が「小遣いが足りない」と感じつつも、ほとんどが「増額交渉を行っていない」と答えている。
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