「大丈夫、質問させてあげよう」「鐘南山院士に質問したいようだから、最後までさせてあげよう」「彼にチャンスをあげよう」。10日午前、メディアセンターの両会のプレスセンターで、日本の共同通信社記者の一井源太郎氏は司会者の言葉がはっきり聞き取れず質問を断ち切られたが、会場にいた中国人記者は一致して彼を「応援」した。
同日午前、鐘南山氏、郭鳳蓮氏、孫憲忠氏、王亮氏、崔根良氏の5人の全国人民代表大会の代表が「全人代代表の法的職務」について国内外記者の取材に応じた。記者会見の終わりが近づいたころ、司会の鐘雪泉氏は、次は郭鳳蓮代表に質問するように求めた。
質問のチャンスを得た一井源太郎氏はぎこちない中国語で鳥インフルエンザについて鐘南山院士に質問し、鐘雪泉氏から「申し訳ないが、今回は郭鳳蓮代表に質問するように言ったのだが」とすぐに断ち切られた。
最初の一言を口にしたばかりの一井源氏は呆気にとられ、立ったままどうしたらよいかわからないような様子だった。このとき、同じく質問のチャンスを待っている会場内の中国人記者は、この日本の同業者にチャンスをとられたというのに、司会者に最後まで質問させてあげるように促した。
中国人記者たちの応援を前に、鐘雪泉氏は今回は許可するとし、マイクを再び一井源氏に渡した。
「皆さんありがとう。励ましてくれてありがとう」と、再びマイクを受け取った一井源氏は中国の同業者に感謝し、関心を寄せる鳥インフルエンザについて質問し終え、鐘南山氏はすぐに回答した。
会見後、一井源氏は新華社の記者に対し、質問が断ち切られたときに非常に緊張し落胆したが、中国の同業者から声援と励ましがあるとは思っておらず、温かさを感じたと話した。
中国に来て4カ月、初めて両会を報道する彼は、「鐘南山氏の回答はとても直接的でわかりやすく、満足できる答えだった」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月11日 |