これと同時に、知的財産権の保護も非常に重視されてきたことが、日本漫画の創造力を保ち続ける原動力となった。日本で一番漫画を買う層は、中学生だ。中国と異なり日本のインターネットでは無料で見れる漫画サイトがないため、中学生は小遣いをやりくりして書店やコンビ二などで漫画を購入する。このため、日本の出版社は著作権の契約を交わすとき、一冊の本をめくって、ひとつひとつのイラストについて話をする。なぜなら、それぞれのページの写真やイラストの著作権の所有者が違うこともあるからだ。
このほか、日本の出版社と作者が印税の契約を結ぶ際には、通常現在手がけている出版物の件に限られる。仮に新しい作品を出版する際には、再び作者と新しい契約を結ぶ。例えば、漫画作品から派生した関連商品に対して、出版社は売り上げの4-5%の印税を作者に払う。また、アニメ化された一話分の印税は1000万円以上にも上る。携帯電話から電子書籍の漫画がダウンロードされた場合も印税が支払われる。もし、海賊版を制作すれば、作者は罰金を課せられるだけでなく、刑務所に入ることになる。
日本の売れっ子漫画作家の年収は往々にして10億円以上に上る。日本最高の初版発行部数記録をつくった「ワンピース」の漫画家・尾田栄一郎氏の2010年度の年収は250億円にも達している。漫画の創作によって生み出される経済の収益は保障されており、作者はおのずと精力を傾けてより良い作品作りに励んでいくことになる。
日本の漫画が世界を魅了するのは、日本伝統の文化的要素を掘り起こしてきたことに由来するところが大きい。実のところ、日本の「ドラえもん」にしても、米国の「ウォークラフト」にしても、世界を魅了した文化産業製品の中には、一つとして外国人の好みに合わせて創作されたものはない。「民族的なものこそ、世界的なもの」という魯迅の言葉は、今もなお現実を映し出している。(編集MZ)
「人民網日本語版」2014年2月20日 |