私が駐日中国大使館でスポークスマンをしていた5年間は、小泉純一郎首相がかたくなにも6度の靖国参拝を行った5年間でもあった。私は1978年に14人のA級戦犯がこっそりと合祀された日から、これらの戦争悪魔を祀っている靖国神社に政治家は行くべきでなく、特に首相はここに絶対に足を踏み入れるべきでない、と思った。戦犯の家族たちも、政治家たちが自分の利益のためにたびたびここにやって来て、死者の安らかな眠りを妨げて欲しくないと思っているだろうと思う。中国にはひとたびヘビに咬まれたら、十年は井戸のナワを恐れるという言葉がある。この言葉は、日本の過去の侵略の歴史を連想しながら、日本のリーダーたちが現在行っている行為を見れば、誤った歴史観を持つ右翼的な首相が、A級戦犯が祀られている神社に参拝するのが平和を祈願するためだと言っても、誰が信じるだろうか、ということを物語っている。現政権の改憲の動き、そして特別秘密保護法案の強行採決を併せて考えてみれば、被害を受けた国が日本の軍国主義復活を懸念するに十分な理由があると言える。
田原氏の質問に答えるが、中日関係は政治の基礎や感情の絆、共通の利益を一体に縛ることにより、発展することができることである。しかし現在、政治の基礎はしばしば日本人の一部の人々、特に首相の身分を持つ国家首脳によって率先して破壊され、感情の絆は恣意的に傷つけられるだけではなく、さらには歴史的なトラウマに再び引き裂かれてしまう。そうした場合に、共通の利益はいかに守られるか。われわれは中日両国間に小さい問題があっても恐れないが、人為的なトラブル、特に中国側の核心的利益、及び中日関係の政治的な基礎など方向性がある問題においてトラブルを起こすことは欲しない。一昨年12月26日、安倍政権が発足した当初、私は『人民中国』と『環球時報』に安倍政権の発足がパンドラの箱を開けることを意味するかもしれないという文章を発表した。1年間後の昨年12月26日、安倍首相の行動はわれわれの懸念に道理がなかったわけではないということを証明した。当時、私は安倍首相に以下の三つのアドバイスをした。1番目は領土問題において危ない道を歩かないようにすること。2番目は参拝問題において一か八かの選択をしないこと。3番目は米国を重視する「唯米独尊」で隣国とのギャップを広げないこと。首相が私の文章を読んだということを人伝に耳にしたが、もちろん首相は私のアドバイスを聞き入れないだろう。しかし、首相は少なくとも日本国内や国際社会からの声を聞くべきで、日本国民の未来を考えるために自暴自棄になるべきではない。
実際にところ、私も首相にお尋ねしたいことがある。靖国参拝は日本の政教分離の原則に違反し、さらに国際法違反であり、中国、韓国のみならず米国でもマイナスの印象を強めたことを、あなたはご自身が爽やかであれば、ほかは我関せず、考慮の外なのか。あなたのようにラディカルな右傾的視点を持ち、他人が何と言おうと構わずに行動する首相にリードされる日本は、どうやって国際舞台でより大きな役割を果たせるのか、またどうやって国際社会の信頼をえられようか。
人民中国インターネット版 2014年1月10日 |