日本のアニメダンスを披露する学生
中国国内最高峰の外国語教育機関である北京外国語大学で18日夜、「日本語学部クリスマス祭り」が催された。記者は同校日本学部学生会が中心となって毎年盛大に開かれているというこのイベントの噂を聞きつけ取材を試みた。
会場を訪れると、普段の学校の教室がカラオケボックスやダンスステージに、廊下はノミの市に様変わり、日本語学部の学生をはじめ他言語の学生や日本人留学生で賑わっていた。今回のイベントを取り仕切る同学部3年生、学生会会長の宋礼農さんは、「このお祭りは歴史が長く、すでにひな形ができているので準備は20日間ほどで済みましたが、如何に今年のカラーを出していくか、みんなで知恵を出し合いました」と今日までの心労を流暢な日本語で振り返った。
そのカラーは今年初挑戦となる「お化け屋敷」と「密室脱出ゲーム」で体現された。特に「お化け屋敷」は人気が高く、スリルを求めて列に並ぶ学生が減ることはなかった。日本のお祭り行事やアトラクションでもお馴染みとなったお化け屋敷、一体どのように教室で再現されているのか記者も心惹かれ、行列をかき分け中を覗いてみると、教室内は机と段ボールで作られた壁で区切られ細い通路になっており、担当の学生たちが不気味な音響や小道具を使いながら30分交代でお化け役をこなしていた。お化け屋敷を体験した2年生の学生は、「怖すぎて言葉になりません」とまだ興奮冷めやらぬという表情で教室を後にした。一方、初めて「お化けの気分」を味わった学生らも、「人を驚かすって最高!」、「病みつきになりそう!」と来場者に負けない興奮ぶりであった。受け入れ側も参加者側も楽しめるお化け屋敷は大成功だったといえるだろう。この他にも、お寿司やお好み焼きが景品になったゲームコーナーや、お弁当作り対決、アニメダンスなど、日本を意識した彼らの創意工夫が隅々まで感じられた。学生会副会長の鄭文傑さんは、「今回のお祭りを成功させるために皆が一つになり、お互いへの理解や友情が深まりました」と喜びを語った。
日中関係は最悪といわれる昨今、日本の文化を愛で、日本語の習得に勤しむ彼らの姿に逞しさを強く感じた夜であった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年12月18日