日本メディアによると、日本のNSCは日本政府の外交・安保政策の最高決定機関で、首相、副総理、内閣官房長官、外務大臣、防衛大臣の5人で構成し、下に事務局を置く。
同法案は衆議院での可決後、参議院で審議される。参議院は与党が押さえているため、可決はほぼ固まっている。NSCは年内に発足する見通しだ。
「日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、首相官邸の司令塔機能を強化するために(日本版NSCの設置は)必要不可欠だ」。安倍首相は10月25日の衆院本会議で、こう表明した。安倍氏の構想では、NSCが間もなく解決に着手する具体的課題として在日米軍の再編、対中関係、朝鮮の核・ミサイル問題、領土問題が挙げられる。
NSCの下には国家安全保障局を置き、米国を含む各国のNSCと情報交流を行う。法案によると国家安全保障局は来年1月に発足。関係省庁からの情報を集約・分析し、対策をまとめる。
■「007」育成は表看板?
法案提出前、東京新聞の記者は「日本にもジェームズ・ボンドのようなスパイが誕生するのか?安倍政権は諜報活動の専門家を育成しようとしているようだ」と好奇心を示した。
日本の小池百合子元防衛相はこの点を肯定。韓国時報で「外交、国防などの機関の責任のなすりつけ合いは非常に深刻だ。この機関を設立することで、情報分析資源を整理統合し、他国との情報共有を実現することが可能になる」と指摘した。
米国家安全保障局(NSA)は長年日本に大量の非軍事情報を提供してきたが、情報の内容そのものは相当程度握っていた。スノーデン事件後、日本では米国の電子情報収集能力の低下を懸念する声も上がった。そこで自前の「007」の育成が必要となったらしい。
だが実際には、「007」育成は恐らく1つの表看板に過ぎない。NSCは安保政策の大転換に向けた第一歩だと指摘される。国家安全保障会議が発足すれば、安倍政権は続いて特定秘密保護法案の可決を図り、日米同盟を一層強化する。その後、年末にまとめる国家安全保障戦略で武器輸出三原則を見直し、続いて集団的自衛権の行使に関する憲法解釈を見直し、来年末までに改定される日米防衛協力の指針に反映させる。
この分析はすでにある程度検証済みだ。
小池氏も「国会は現在、秘密保護法案の提出を検討している。この法案を通じて機密情報の安全を守り、特に国の安全保障に関わる時など、機密を漏洩した官僚を厳重に処罰する」と指摘した。
「武器輸出三原則」は事実上、とっくに破られている。日本経済新聞の6日付記事によると、日本のIHIはこのほど米プラット&ホイットニーと戦闘機「F35」のエンジンを共同生産する契約を交わした。F35の部品生産への日本企業の参画は初めてだ。
だが1967年に日本は武器輸出三原則を打ち出し、社会主義陣営、国連決議で武器禁輸措置がとられた国、国際紛争の当事国または紛争の危険のある国への武器輸出を禁止している。1976年には三木武夫内閣が項目を追加し、武器輸出は事実上全面禁止された。
残るは憲法改正のみだ。順調には進展していないが、決して可能性がないわけではない。
これが安倍政権の安保政策大転換のロードマップであり、NSCはその入り口になると分析される。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年11月9日 |