「中国は日本を片隅に追いやろうとしている」。このように論ずる「産経新聞」は10日の論説は、中国人から見れば「盗人が他人を盗人呼ばわりする」ようなものだ。論説は、11日は敏感な時期で中国はおそらくさらに大規模な「報復措置」をしかけて主権の宣言をするだろう。日本の防衛関係者及び外務省はすでに準備を進めており、しっかりと対応している。「いささかの怠慢も許されない」と衝突事件発生に用心するよう呼び掛けている。共同通信は、日中間の「力と力」の拮抗が表面化しているが、日本の釣魚島における実効支配は、すでに揺らぎ始めている。安倍政権が最も警戒しているのは、大規模な中国漁船が釣魚島に近づき、漁民が海上保安庁の監視ネットワークをかいくぐって上陸することだ。そのあと、中国政府は「自国民の保護」という名目で釣魚島に接近して上陸すると、日本の「実効支配」は崩れ去ってしまう。韓国紙・アジア経済は、中国は10日に大規模な軍事演習を予定しており、4万人の兵力で長距離攻撃の演習を行う。これは日本に対する「軍事警告」である。釣魚島「国有化」から1周年、中日関係のマイナスエネルギーは再びピークを迎えていると伝えた。
韓国の聯合通信は、中国の習近平国家主席がG20サミットで安倍首相に溝を適切に管理・コントロールし、問題を解決する方法を探るべきだと語ったと伝えた。これは実際には日本に釣魚島の主権紛争の存在を認めるように要求したものだが、安倍首相はオリンピック招致成功の後、すぐに「歴史的にも国際法的にも、釣魚島は日本の領土である」と表明している。中日両国は現在、どちらも強硬な対外政策をとっており、両国の一致点を探すのはますます難しくなってきている。中日関係の緊迫の度合いが増しているものの、米国の介入があるため、武装衝突などの極端な事件が起こる可能性はあまりないだろう。国家海洋局関係者によると、釣魚島海域は現状、世論の場でこのようにつばぜり合いが続いているが、対峙は基本的に外交管理の範囲にあり、制御可能な状態にある。
危機管理の試金石として重要な局面
ラジオ局「ロシアの声」は10日、ロシアのモルグロフ連邦外務次官は、ロシア連邦は中日の領土紛争で中立の立場をとるとして、東中国海と南中国海の領土紛争も穏やかに両国で解決してほしいと語った。
朝日新聞は、9月は日中間でいくつかの事件が発生した月だ。18日は「九?一八事変」(柳条湖事件、満州事変)記念日、29日は日中国交正常化記念日、3日は中国では戦勝記念日とみなされている。現在、これに11日が加わっている、と伝えた。中日問題の情報通によると、目下、ハイレベルの意思疎通はあまり順調でなく、日本側は態度表明があいまいで、前後に矛盾があったりして誠意が感じられないときもあるという。
「日本が次にどんな手を打ってきても我々は対応するプランを持っている」と中国社会科学院日本外交研究室の呂耀東主任はいう。安倍政権が行き過ぎた行動に出たり、あるいは釣魚島に公務員を派遣するようなことがあれば、権利保護を強化するのが中国の唯一の選択だ。中国現代国際関係研究院日本所の劉軍紅研究員は「安倍首相は、言葉は強硬だが、実際のところは困っているはずだ。中国市場に高い期待を持つ日本企業が安倍政権に効果的に圧力をかければ、日本の内閣は考えを変える可能性があるだろう。ただし、劉研究員は「安倍首相の考えを改めるきっかけを作れるのは、海外ではなく、日本国内しかない」と語る。(編集EW)
「人民網日本語版」2013年9月13日 |