中国の女流作家・王海鴒氏の長編小説「新結婚時代」の日本語版が1日、日本で出版された。新華網が伝えた。
「新結婚時代」は、「牽手」「中国式離婚」に続く王氏の力作で、「結婚三部作」の完結編となる。都市に住む女性・顧小西と農村出身の夫・何建国との諍いが絶えない波乱万丈の結婚生活を描いたストーリーで、王氏はさらりと軽くリズミカルな筆致によって、庶民の結婚生活の現状や現在の社会における矛盾や衝突について、徹底的に追求している。「新結婚時代」の同名ドラマは、日本で2007年に行われた「第1回国際ドラマフェスティバルin TOKYO」でグランプリ(最優秀ドラマ賞)を獲得したことで、日本人の注目を集めた。
「日本版の読者の皆様へ」という挨拶文のなかで、王氏は、「この小説が日本で出版される日が来るとは、全く予想もしませんでした。というのも、ここに書かれている出来事が現実に日本で起こる可能性はほぼ皆無だからです。この小説が多くの人々の共鳴を得たのは、夫婦の間でなぜ対立や衝突が起こるのかを書いたのではなく、夫婦の間には矛盾はつきものだということを表したからだと思っています。昔の人が言ったように、『夫婦は最後に一緒の墓に入って初めて家族と言える(それまでは何があるかわからない)』ということです」と記した。王氏は、同小説の社会性について、「人間みな同じ」と表現した。
「新結婚時代」日本語版の翻訳は、在日中国人の陳建遠さんと元新聞記者の加納安実さんの2人が担当した。陳さんは、北京から日本に留学した1991年以来、日本での滞在は22年になる。加納さんは、朝日新聞の記者を31年間務めた後、テレビ局での勤務経験もある。2人は今回、5年あまりの歳月をかけて、王氏の人気小説の翻訳を共同で完成させた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年8月2日 |