台湾紙「立報」は19日の社説で、「東京都の石原慎太郎当時都知事は2012年、釣魚島(日本名・尖閣諸島)を購入しようとした際、日本の国民の大きな支持を得た。その主な理由は、日本の歴史教育は近代史、特に日本の侵略史を全く重視していないからだ。日本の国民のこの歴史に対する無知が、日本の右翼化した政治家の高慢な『民意』の基礎になっている」と指摘した。中国新聞網が報じた。
以下は同社説の主な内容。
戦後、ドイツのように過去の侵略行為に対して誠意ある態度で向き合わず、謝罪することもない日本に、人々はこれまでずっと困惑してきた。その原因は、日本が失敗を認めようとしないことや武士道、軍国主義の天皇体系が依然として存在していること、米国が冷戦を展開するに当たり、反共産的な右翼勢力の肩を持つ必要があったことなど、さまざまだ。これらの原因は確かに一部の現象を説明しているが、それでもやはり、釣魚島購入のため昨年、石原氏が寄付金を募り、大きな賛同を得たことなどは、理解しがたい。
日本の国民はどうして、軍国主義者の呼び掛けを、熱く支持するのだろう。これら右翼化した政治家が過去に国民を戦争に巻き込んだことを知らないのだろうか。過去の戦争はアジアの隣国を巻き込み、この世のものとは思えない悲惨な状況をもたらし、日本の一般庶民も甚大な被害を受けた。右翼化した政治家はイデオロギーや利益、権力のために、自然と釣魚島を侵略をするよう国民を扇動するだろう。しかし、一方の国民はなぜ右翼化した政治家を盲目的に支持するのだろう。日本が過去に、周辺国に対して侵略行為を行ってきたことを知らないとでもいうのだろうか。
この困惑の答えとして、英BBCは最近、興味深い報道をした。「日本の歴史教育は近代史、特に日本の侵略史を全く重視していない。例えば、中国や韓国が強く謝罪を求めている『慰安婦』問題については、357ページの歴史の教科書に、1行出てくるのみ。それも、目に付きにくい脚注としてだ。南京大虐殺についても同じで、脚注に小さな文字で一言触れているだけだ。そのため、日本の国民のほとんどが、中国の何千万人もの命が日本の軍国主義の犠牲になったこと、近隣諸国が日本の軍国主義復活をなぜこれほど気を揉んでいるのか、全く理解していない」というのだ。
日本政府が近代史を風化させようとしていること自体、過去の暗い侵略の歴史を知っていることの証しだ。しかし、風化させようとしたり、逃げようとしたりしても、過去の事実を塗り替えることはできず、近隣諸国の理解を得ることもできない。右翼化した政治家は国民の無知に付け込み、隣国の国民に対する憎しみを煽り、再び日本を戦争の道へと導こうとしている。
BBCの報道から、日本が釣魚島を侵略しようとしていることの背景を理解することができる。それでも、釣魚島を守らなければならず、日本の歴史教育が近代史を風化させようとしていることの影響を見逃すわけにはいかない。日本の右翼化した政治家の高慢な『民意』の基礎をついに理解した。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年3月21日 |