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環球時報の単独インタビューに応じる村山富市元首相 |
「訪中から帰国後、私は安倍首相に対して『村山談話』継承の立場に立って、進歩的な観点から日本の今後の方針について新たな談話を発表することを望むと表明した」。かつて「村山談話」を発表して、日本の植民地支配の歴史について反省とおわびをした日本の村山富市元首相は11日、環球時報のインタビューにこう述べた。村山元首相は1月末、「両国が顔を突き合わせて話し合いのできる環境を整える」ため、日中友好協会名誉顧問として団を率いて訪中した。日本政府が歴史観の見直しを計画し、憲法改正の歩みを加速する中でも、村山元首相は訪中時に「安倍内閣がそう簡単に右傾化路線を歩むことを日本国民は許さないと信じている」と強調した。島嶼紛争問題については「意見を保留」し、「日本政府は自ら意志疎通の責任を負い、日中関係の膠着状態を和らげるべきだ」と述べた。環球時報が伝えた。
■日本政府が行った馬鹿なこと
記者:村山元首相は繰り返し中国を訪問されていますが、今年1月の訪中には特殊な背景がありました。過去の訪中とは気持ちの面で何が違ったか教えていただけますか?
村山元首相:昨年は日中国交正常化40周年でしたが、島嶼紛争問題のために多くの記念行事が取り消しを余儀なくされました。ですから率直に言うと、今回の訪中を前に私は多少緊張を感じていました。しかし今回、前国務委員で中日友好協会会長の唐家セン氏との1時間半におよぶ会談では、それほど緊張した雰囲気ではなく、話を進めるにつれて互いに打ち解けていきました。私たちは日中両国の歴史から日中関係の現状についてまで話し合い、釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題にも言及しました。この問題は対話ルートを通じて解決すべきとの考えで私たちは一致しました。
今回私は日本政府を代表してではなく、民間団体である日中友好協会の代表の1人として訪中しました。現在最も肝要なのは緊張を緩和し、両国が顔を突き合わせて話し合える環境を整えることだと思います。現在、中国公船があの海域でパトロールを行い、日本も海上自衛隊を派遣しており、現場の状況は非常に緊張しています。こうした緊張を緩和する方法を考えなければいけません。問題の鍵を握っているのは、この件に対する日中両国民の姿勢です。民意の支持なしに政府が進めることは難しい。対話ルートを通じて解決を図ることのできる環境を整えることが、両国の民間団体の責任です。これが私の訪中の目的であり、私は日中両国民共に対話による解決を望んでいると信じています。
記者:日本国内では村山元首相の今回の訪中に関する報道が多くありません。その前に訪中した公明党代表の釣魚島問題棚上げに関する発言は政府の主張と相容れないとするメディアもあります。この他、丹羽宇一郎前大使の発言や、鳩山由紀夫元首相が1月17日に南京大虐殺記念館を見学したことも批判されました。日本国内の政治的見解はなぜこのように分かれているのでしょう?
村山元首相:日本は言論の自由な社会であり、メディアはどのような報道も行えます。この問題の本質に対する見解は人それぞれ異なります。私も現在、政府の立場を代表することはできず、個人的見解に過ぎません。ただ私は「日中両国は難題に直面しているが、現在の日中関係はとても長い歴史の中で築かれたものであり、日中関係を守る観点に立ち、両国はもっと意志疎通を図り、交流すべきだ」という一点を強調したい。
記者:村山元首相のような日本の前の代の政治家から見て、どうすれば中日関係を正常な軌道に戻すことができると思われますか?膠着状態を打開するのは日本側であるべきでしょうか?
村山元首相:率直に言って、日本政府は馬鹿なことをしました。事実上、日本はすでに島を長期間実効支配していました。それが正しいことか間違ったことかはさておき、中国側はこれを「黙認」していたのです。日本政府がわざわざお金を払って「国有化」する必要は全くなかった。もし日本がそこの油田を開発したいのであれば、中国と話し合い、協力すればいい。島嶼の最終的帰属についてもつれ合う必要はない。したがって、日本が自ら意志疎通の責任を負うべきです。ですが、島嶼が一体どの国の領土なのかに関しては、私は意見を保留します。
1972年の国交正常化の際、すでに日中の指導者は島嶼問題を一時棚上げすることで合意しました。1978年の日中平和友好条約締結の際も、両国の指導者は同様の対話を行い、「もっと優秀な」後の世代に問題の解決をゆだねることを決めました。
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