以前より中国のネット上で人気を博していた、日本に留学中の学生「脳残君」による「史上初の日本留学漫画」である「脳残君物語」第一巻が11日に日本で正式に出版された。この単行本にはすでにネット上で公開されている内容に加え、更に45ページ分のネット未発表の内容も含まれるという。「中文導報」が伝えた。
「脳残君」というペンネームをもつ中国人留学生・肖栄さん(30)はかなり以前からネット上の有名人だった。肖栄さんの描いたオリジナル漫画「日在日本」はネット漫画フォーラムでアクセス数が現時点で1800万に達し、毎月100万の速度で増えている。
肖栄さんは埼玉県のある喫茶店でインタビューを受け、「2012年は一つのことだけに集中した。それはネット漫画を単行本にして日本で出版すること。この日のために、去年の3月からずっと本の準備と制作に追われてきた。この漫画はすべて実体験であり、日本での中国人留学生の生活を正面から記録した作品。この作品が、我々世代の中国留学生に対する日本社会の見方にある程度影響を与えるものだと信じている。中日関係が冷え込む中、中日友好のためとは言わないが、ただ自分の作品によって、我々の世代の留学生のことが歴史の記憶に刻まれることを願う」と語った。
肖栄さんは2011年の東日本大震災発生後に日本に留学した。自分の目に映る留学生の生活を漫画にしてネット上で発表し、簡潔でわかりやすい絵柄と軽いジョークを交えた内容で留学生活を思う存分に描き出し、多くのファンを魅了した。
留学生の生活はつつましい。入学二ヵ月後には持ってきた生活費をすべて使ってしまった。しかし、肖栄さんは漫画「日在日本」のクリック数が悪くないことに気付き、ある学校を見つけて校長に相談し提携関係を結んだ。当初、肖栄さんは漫画を中国のネット上に発表しただけだったが、後に、ある日本人がネット上にコメントを残してくれた。そこには、自分の中国語のレベルが足りなくて、完全に漫画を理解する事は難しいと書かれてあったが、簡単な中国語で肖栄さんに励ましの言葉を送ってくれていた。またある日本のネットユーザーが肖栄さんにメールを送ってくれ、無料で漫画を翻訳する協力を申し出てくれた。
このようにして、肖栄さんの漫画は日本語のブログで発表されることになり、中国と同様に人気を博した。自分の作品が日本で人気を博したことについて、肖栄さんはまったく意外ではないという。「私のような中国人の留学生活を背景にした漫画は日本では他にない。この一点だけで多くの日本人を引き付けるのには充分だ」と語った。昨年、livedoorのブログの中で、肖栄さんは国際交流プロジェクトの大賞を獲得し、同時に高額な賞金も手にした。
今年、肖栄さんは語学学校を卒業し、漫画専門学校で学ぶ予定だ。肖栄さんは「もし面白いことが充分あるようなら、日本人のクラスの様子を漫画の中に入れて、中国の読者に日本のリアルな学園生活がどんなものなのかを紹介したい」と今後の抱負を語った。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年1月24日 |