■二兎を追う者は一兎をも得ず
日本のことわざを使って安倍外交を形容するなら「二兎を追う者は一兎をも得ず」だろう。経済的には10年または20年後、東南アジアとインドの発展には大きな将来性があるだろう。だがここ数年で、インドや東南アジアが中国市場の代役を務めるようになるというのは、単なる期待に過ぎず、急場の用には役立たぬ考えだろう。日本の一部企業はインドで取締役会を開き始め、インドを重視する姿勢を鮮明にしているが、こうした企業でさえインドでの売上は中国での20分の1にも及ばないのだ。発表した数字もインドでの売上を10年後に現在の中国での売上の4分の1にまで高めるというものに過ぎない。中国から急速に離れて、日本が新たな発展を遂げられる可能性は高くない。
年7%の経済成長率により、中国の経済規模は10年後に日本の数倍に達する。現在のほぼ伯仲する水準とは全く異なる。政治または世論上の必要から中国との経済関係を極力疎遠にするというのは、安倍内閣にとって賢明な選択ではない。
共同通信の報道を借りれば、安倍外交の追求する中国「牽制」がどの程度実現できるものなのかは、大きな疑問だ。第2次大戦後の米国を中心とする対中封鎖は30年余り実施され、改革開放後にようやく徐々に有名無実化した。当時の対中封鎖は中国経済の発展を徹底的に阻止することはできなかった。中国がすでに確たる世界第2の経済大国となった今、対中牽制は過去の封鎖と同様、中国に実質的な影響を与えることはない。
外交上の矛盾したやり方は安倍内閣に何をもたらすだろうか。まず経済的には中国市場を自ら放棄した後に再参入するのは難しくなる。外交的には中国牽制政策の公然たる遂行によって、必然的に中日関係が疎遠になり、中国外交における日本の地位がさらに低下する。
一時的な円安や東京の株価上昇が長続きすることはない。経済は工業、農業、科学技術、貿易の発展を踏まえて語る必要がある。安倍内閣は余りに強烈な保守政治を推し進めることで、経済、外交両面で重大な困難に直面するだろう。(文:陳言・日本問題専門家、日本産網站CEO)(編集NA)
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「人民網日本語版」2013年1月17日 |