菅官房長官は「21世紀にふさわしい未来志向の新しい談話を発表したい」としているが、この言葉は抽象的なものであり、問題は実際の内容にある。安倍首相が真剣に考慮する必要がある3つの問題を以下に挙げたい。
(1)歴史の正しい認識と総括を、いかにして現実と未来に結びつけるか。現実および未来は歴史の延長である。現実および未来の発展方向をしっかりと把握するには、歴史に対する正しい認識と総括が不可欠だ。「過去の経験を教訓とし、同じ問題が起きないよう注意する」ことは、人にとって、また国にとっても普遍的な原則だ。慰安婦の強制連行や、虐殺・侵略・暴行の事実を無視しておきながら、「21世紀にふさわしい」道に日本を導くなど、誰が信じるだろうか?
(2)21世紀の時代の流れを正しく認識し、把握する。人類の大きな進歩に伴い、人類の共通の利益はかつて無いほどに拡大し、国際社会は平和、発展、協力を求めている。このような時代背景の中で、日本の平和憲法改正を主張するなど、時代の流れに合っているだろうか?
(3)中日関係の処理。21世紀は世界が多極化し、地域ないしは世界にかつて存在していたバランスが新たな変化を迎えようとしている。このような状況の中、中日は「相互関係において、武力に訴えず平和的手段で全ての紛争を解決する」ということに注意すべきだ。領土紛争があることを認めず、さらに「戦略的な外交を大胆に展開」し、中国に対する戦略的優位を形成しようとすることは、中日関係の改善に役立つだろうか?
安倍首相が熟慮した上で行動することを願う。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年1月6日 |