第二に、欧米と新興国の市場が低迷していることだ。外需はますます縮小し、GDPを0.7%引き下げている。日本の共同通信社の分析によると、日本はすでに輸出が減少し個人消費が振るわない悪循環の中にあり、輸出の低迷が特に目立つという。9月の貿易統計(速報値)をみると、対米輸出の伸びが力を失っており、対欧州連合(EU)輸出も前年同月比21%減少し、対中国輸出は同14%減少した。
第三に、円高の圧力が減じていないことだ。企業の海外移転の流れが強まり、国内産業の空洞化が進んでいる。企業の合併買収(M&A)コンサルティング企業RECOF10が10月末に発表した調査結果によると、今年1-9月に日本企業が海外で行ったM&Aは364件に上り、前年同期比7.4%増加し、22年ぶりに第1-3四半期のM&A件数の記録を更新した。同社の予測によると、今年通年のM&A件数は過去最高だった1990年の463件を上回る可能性がある。金額をみると、第1-3四半期の買収額は4兆9900億円で、前年同期比22.9%増加し、歴代3位だった。買収額が大きくなった主な原因は、日本の国内市場が縮小して、より多くの企業が海外業務の展開に着手したことにある。長期的な円高も海外投資を後押しした。こうした影響により、今年の春以来、日本国内での生産が大幅に落ち込み、雇用にも影響が出ている。
第四に、政府がうち出した「日本再生戦略」が近くの火も消せないことだ。日本政府は今年、経済を刺激する緊急対策を相次いでうち出し、経済の振興をはかろうとしたが、制度面での制約と政争の影響を受けて、実際にはなかなか実行に移せていない。日銀は9月以来、大規模な量的緩和政策をうち出したが、目立った効果は上がっていない。このため日銀は現時点ではさらなる金融緩和に慎重な態度を取っている。
日本の内閣府がまとめた統計によれば、1986年以降の比較可能なデータをみると、日本は7回にわたって経済情勢の見通しを「低迷に向かっている」と下方修正している。みずほ総合研究所の山本康雄シニアエコノミストは、「来年初旬以降は力強い復興は期待できない」といい、その理由として、日本の経済構造が変化し、長く続く円高によって日本の電子産業がグローバル市場での占有率を大幅に低下させていることを挙げた。海外経済が復興しても、日本経済が輸出拡大によって分け前にあずかることは難しいという。また日本総合研究所の湯本健治副理事長は、「日中関係の改善には長い時間がかかる可能性が極めて高い。うまくいかなければ、経済の低迷は来年夏頃まで続くことになる」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2012年12月27日 |