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北京週報>>中国と日本  
「大学を卒業してから気がついたこと」《上》
 

◇授業で理解できなかった落語に再挑戦◇

《大学4年のとき、落語の授業があった。当時の私にとって非常に難しかったので、内容はほとんど分からなかったが、先生の言葉だけが印象に残っていた。「就職で面接を受けるとき、日本語の授業で何を勉強しましたかと聞かれたら、『落語』を勉強しましたと答えなさい」と。面白い話だと思い、そして半信半疑に思いながら卒業を迎えた。》=R・Bさん(女性)

落語には、日本人の物の考え方、風俗、習慣など多くの文化が含まれている。日本人の心を伝えようと考え、六代目・三遊亭圓生の落語「文七元結」(ぶんしちもっとい)をビデオで見せながら話をした。この噺は芝居などでも演じられ、涙と笑いの人情物語である。学生は日本語に問題はなかったが、登場場面の背景や言葉遣いを説明するのが大変で、学生には難しかったかもしれない。私は落語を知ってもらうとともに、現在の日本人にも通じる江戸っ子気質や心意気を知ってもらいたかった。

R・Bさんは交換留学で日本に行き、DVD店で落語「文七元結」を見つけた。

《大学時代授業で見たのを思い出した。よくわからなかったものだから、もう一度挑戦してみようという気持ちになった。》そして、日本留学でさまざま体験をし、言葉や文化の壁を少しずつ乗り越え、この落語に登場する人物の行動を理解し、《落語には日本人の心が凝縮されているんだなとしみじみ感じた。》

R・Bさんは大学院を卒業した後、大学で日本語を教える立場になった。授業では同じように落語のDVDを見せながら、落語の「オチ」の説明をしているという。学生は以前の自分と同じように反応はいまひとつだが、《知識が豊富になるにつれて、いつかきっと落語の魅力をわかってくれるでしょう。》と作文の最後を締めくくっていた。教え子の教え子が落語を理解し、日本の心や文化を伝えていけば、一時の政治や経済状況に左右されることはない強固な日中関係の基盤が、必ず確立するだろうと思った。

 

授業で使った落語「文七元結」のビデオテープと表紙

 

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