南京大虐殺75周年の記念日を翌日に控えた12日、旧日本軍の中国侵略に関する資料を多数所蔵する中国の著名収集家、金鉄華氏を訪ねた。金氏は旧日本軍の軍人が家族にあてた手紙を手に取り、「日本が中国を侵略したことを裏付ける何よりの証拠だ」と語った。中国紙「北京晨報」が伝えた。
金氏が所蔵する旧日本軍の手紙は400通以上に上る。その中には、1937年12月13日の南京陥落の前後に書かれたものも少なくない。「軍人が家族にあてて書いたこれらの手紙は日本が中国を侵略したことを裏付ける何よりの証拠だ」と語る金氏。より多くの中国人にこの歴史の罪証を見てもらいたいという思いから、60通を中国人民抗日戦争記念館に寄贈した。「これは忘れ去られてはいけない歴史だ。私の収蔵品が博物館にとって少しでも役に立つことを願っている」と金氏。
「これは数十年かけて心血注いで集めたもの」と語りながら、金氏は日本で昭和13年2月に出版された雑誌を手に取った。雑誌の表紙には、南京の崩れた壁やがれきの間を走る10台の旧日本軍戦車の写真が載っている。「これは1938年2月に出版された南京侵略の特集号で、中には詳細な旧日本軍の進軍過程が記録されている」と金氏。この雑誌は中日国交正常化の後に中国に流れてきたもので、十数年前に骨董市で見つけて購入したという。
金氏は「一般的に日本の政府が発行した雑誌は、軍の権威を誇示するものばかりで、虐殺などの写真を掲載することは少ない」と語る。一方、米国の雑誌は大きな紙幅を割いて、当時の旧日本軍が行った暴力行為を報道しているという。
いつか日本で個人の収蔵品展を開きたいと夢を語る金氏。「歴史を忘れず、今日を大事に生きる」がテーマで、旧日本軍が中国を侵略した罪証を広く公開することと、資料を通して中日国交正常化の歴史を振り返ることが目的という。(編集MZ)
「人民網日本語版」2012年12月17日 |